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2019年5月号
平成の30年の間に、保健師を取り巻く環境や保健師の仕事ぶりも大きく変わってきている。
業務範囲が拡大し、委託事業も増え、多職種連携の中で仕事をする機会が多くなる一方で、地域住民との関係が希薄になってきているという指摘もある。
本特集では、新しい時代の始まりにあたって、保健師に関わりの深い8つの論点を取り上げ展望を示した。
特集新時代「令和」の保健師 8つの論点
元号が変わり、新しい時代が始まった。平成の約30年間では、市町村合併により自治体数が半減した。地域保健法の施行、介護保険や特定健診・保健指導の導入など大きな制度変更もあった。児童虐待、自殺などの社会病理が拡大し、認知症など高齢社会を背景とした問題も大きくなった。
こうした中で、保健師の仕事ぶりも変わってきた。衛生部門以外への配置が進み、業務範囲が拡大した。委託事業も増え、多職種連携の中で仕事をする機会が多くなった。一方、地域住民との関係が希薄になり、業務をこなすことに終始するなど、半世紀以上にわたり継承してきた保健師の仕事の本質がぼやけつつあるのではないかという指摘もある。
特集では、新しい時代の始まりにあたり、保健師に関わる8つの論点を取り上げ、展望を示す。
◎総論 中板育美(武蔵野大学)
○論点1 キャリアパスとキャリアラダー
山野井尚美(岡山県保健福祉部)
○論点2委託事業
真山達志(同志社大学)
○論点3 地区担当制と業務分担制
村中峯子(東京医療保健大学大学院)
○論点4 統括保健師
鎌田久美子(日本看護協会)
○論点5 多職種連携
藤本亜由美(大津市膳所すこやか相談所)
○論点6 家庭訪問
吉岡京子(国立保健医療科学院)
○論点7 プレゼンテーション
吉澤みどり(渋谷区福祉部)
○論点8 地域共生社会
藤内修二(大分県保健福祉部)
ひよこ、ホップ、ステップ、ジャンプ!
中尾陽子さん(徳島県徳島保健所 健康増進担当)
ピープル
岩崎 寛さん(千葉大学大学院 園芸学研究科 准教授)
レポート
①日本保健師連絡協議会
②これからの地域・職域連携推進の在り方に関する検討会
③自殺総合対策の推進に関する有識者会議
連載
いのちに向き合う
第1回「雨ニモマケズ」の二つの側面
浜垣誠司
生活習慣を変えるコミュニケーション技術
第1回ダンスのようにリードする
磯村 毅
罪を犯した人の生活と健康支援
第1回 保健師に知ってほしい触法障がい者の支援
舩山健二
虐待予防は母子保健から
第1回 児童虐待を予防するための母子保健
鷲山拓男
ESSAY国際保健
第31回 シバの女王の国と革命記念日の夜
松田正己
保健師のための閑話ケア
第82回 頭の体操
藤本裕明
中臣さんの環境衛生ウオッチング
第67回 民泊を知る
中臣昌広