- HOME
- 2016年5月号
2016年5月号
5月号は保健師の過去を知る特集と未来を展望する座談会で構成。特集「次世代に伝えたい保健師のスキル」は、若手・中堅のスキル低下が危ぶまれる状況を背景に、ベテラン保健師が伝えたいことを独自の視点でまとめた。座談会「新しい時代における保健師のビジョン」は、地域包括ケアの推進や産業界とのコラボレーションなど、保健師を取り巻く環境が大きく変わる中で、公衆衛生看護の担い手である保健師の立ち位置を模索する。
座談会変革期における保健師のビジョン
地域保健で新たな潮流が生まれている。地域包括ケアを推し進める動きが本格化し、医療・介護・予防・生活支援などついて、さまざまな立場の人が協働しながら取り組む体制がつくられつつある。一方で、産業界が参入し、行政とのコラボレーションが進むなど、保健師を取り巻く環境は大きく変わってきている。そうした中で、公衆衛生看護の担い手である保健師は、いかにしてアイデンティティーを保ち、力を発揮できるのだろうか。保健師各団体の関係者にお集まりいただき、変革期における保健師像を語ってもらった。
【出席者】
中板育美さん(日本看護協会)=司会
佐伯和子さん(全国保健師教育機関協議会、日本公衆衛生看護学会)
青柳玲子さん(全国保健師長会)
平野かよ子さん(日本保健師活動研究会)
特集次世代に伝えたい保健師のスキル
個人から集団、地域まで、支援対象が幅広くある保健師のスキルは実に多様で、個人的経験から生まれた「知恵」の結晶でもある。かつては日頃の訪問活動の中で、あるいは職場の先輩と行動を共にする中で、こうしたスキルの伝承が保たれていたが、近年は分散配置で先輩から後輩へ伝授する機会が少なくなった。また、基礎教育の問題や業務分担制などの影響で習得も難しくなっている。特集では、ベテラン保健師の方々に自らの経験を振り返り、「後輩に伝えたい!」と思う大切なスキルについて、自由にまとめてもらった。
- 訪問と事例検討は保健師の原点
斎藤恵子(郡山市保健所) - スキルの開拓は「どきどき・わくわく」する体験
佐藤玉枝(前・大分県立看護科学大学) - 個々のスキルは「自立させる」ためにある
田中由紀子(前・神戸市保健福祉局) - 住民との協働に保健師の優れたスキルを見る
大場エミ(社会福祉法人恩賜財団 母子愛育会)
ひよこ、ホップ、ステップ、ジャンプ!
柳沼友美子さん(東京都多摩立川保健所)
ピープル
稲葉 剛さん(一般社団法人つくろい東京ファンド代表理事)
2025年問題に備える~みんなで取り組む「地域づくり」
埼玉県和光市《前編》
活動報告
「柏市電子母子手帳サービス実証事業」から見えてきたもの
柏市保健所 鳥居敦子
REPORT
第4回 日本公衆衛生看護学会学術集会
理解して生かす保健師用語
第13回 「政策形成」
連載
Integrated Healthのすすめ 海外文献レビューから
第1回 ホリスティックな健康モデルと公衆衛生
今 知美
隔月連載 地域保健で求められるソーシャル・キャピタル醸成事業
第1回 なぜ、つなぐ?
佐々木亮平、岩室紳也
ESSAY国際保健
第13回 タイ雑感
松田正己
保健師のための閑話ケア
第64回 無理難題
藤本裕明
中臣さんの環境衛生ウオッチング
第49回 化学物質過敏症の診断
中臣昌広
言葉と発達 いまどき子育てアドバイス
第223回 支援の入り口としての健診(1)
中川信子