保健師のビタミン

ヘルスプロモーション的ほめ言葉

第4話まずは、あいさつしてみよう!

こんにちは!
おはようございます!
「これって、ほめことば?」って思われたかたもいらっしゃるでしょうね。でも、挨拶をするときには、間違いなく相手を「認めて」います。無視しようとおもえば、挨拶なんかはしませんよね。

みなさん、私に会ったときに、プイって横を見ないでください。悲しくなりますから…。逆に、元気よく挨拶していただけると、とっても嬉しくなります。私も、大きな声で、ご挨拶を返すでしょう。

このことがヘルスプロモーションと、どういう関係があるのでしょうか?

ほめることの本質は、他人を「認めること」ですね。存在そのものを認める、肯定する、否定しない、そのままでいいんだよというメッセージなのです。で、これが、自己価値感、自己肯定感を高めるありふれた、しかしとても重要なアクションなのです。

ですから、クライアントの自己価値感を高めようと悩んでいらっしゃるあなた、なんでもありませんよ。言葉かけをすればいいのです。ほめるのが苦手なあなたも大丈夫、ひとこと挨拶すればいいんです。

М県М市で行われた住民参加型健康づくり活動の中で、ある地域のグループが言いました。「あいさつ運動をしようよ!」

挨拶運動は、普通ヘルスプロモーション活動とはあまり思われていません。でも、彼らは「あいさつは心のノック、笑顔でふれあう」を合言葉にすてきな活動を展開しました。

あなたも わたしも
いっしょになって
さそいあわせて
つくろう仲間。

そうです、これがネットワークであり、社会的支援であり、健康支援的な環境づくりとしての地域活動に他ならないのですね。挨拶という「ほめビタ」から始まる、立派なヘルスプロモーション活動なのです。

ではみなさん、お元気で! また次週!
再見! Auf Wiedersehen! Au revoir! See you next Friday!

著者
佐甲 隆
三重県立看護大学教授(公衆衛生・地域保健学)
小児科臨床医だったが米国留学の後、公衆衛生に転身。ヘルスプロモーション、保健活動マネジメント、保健師コンピテンシーに関心を持ちつつ、明るく楽しいナラティブな対話型公衆衛生を目指す。

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