保健師のビタミン

ヘルスプロモーション的ほめ言葉

第3話どんどんほめて、みんなが元気に!

ここでスキルアップのためのトレーニングです。

俳優さんのように気持ちを込めて、しっかりと声に出してみましょう。周りの人にあやしまれない程度にね。

「すばらしい~!」 「わくわくしますね!」
「上手ねぇ!」 「よくできましたねぇ!」
ついでに鏡に向って
「あなた、今日もイキイキしてるね!」

いかがですか? なんだか、気持ちが軽くなってきませんか?
ほめる効果は、クライアントにだけ生まれるわけではありません。人は他人をほめていくうちに、自分自身も笑顔になり、自信がつき、豊かで活き活きとした表情になっていきます。ほめることで、ほめる側もエンパワメントされるのです。

え? 私もほめて欲しいって?

大丈夫! ほめるとほめてもらえますよ! これが、”互酬性の原理”です。自分がほめられると、人をほめたくなります。人をほめると、自分をほめ返してもらえます。両方が得をするのです。

「お母さんのここが素敵ですね、すごくいい感じですよ!」
ほめるためには、ほめるべき要素を探す必要があります。これはアセスメントや評価にほかなりません。クライアントの良いところに気づくことで、アドバイスのアイデアも浮かんできますし、保健活動上の視野が広がり、問題解決や政策開発にもつながっていきます。

「あなたと一緒にいると、健診もほんとに楽しいですよ!」
組織やコミュニティの中で互いにほめあえば、どんどん雰囲気が良くなり、明るく元気になっていきます。信頼感や一体感が生まれ、前向きな意欲が高まり、みんなでまとまって何かをしていこうという気持ちになれます。つまり、ヘルスプロモーションのプロセスに入っていくのです。

著者
佐甲 隆
三重県立看護大学教授(公衆衛生・地域保健学)
小児科臨床医だったが米国留学の後、公衆衛生に転身。ヘルスプロモーション、保健活動マネジメント、保健師コンピテンシーに関心を持ちつつ、明るく楽しいナラティブな対話型公衆衛生を目指す。

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