保健師のビタミン

こんにちは、開業保健師です!

第10話最後に 開業の是非

今回で最終回ということで、少しまとめてみたいと思います。
「開業してよかった?」「よくなかった?」 に対する答えは、「よかった」と感じています。

開業したことで、最大のよかった点は、いろいろなことにチャレンジできることです。もちろん常勤でチャレンジできることも多々ありますし、常勤でしかできないこともありますが、全てを自分の裁量で決定してチャレンジするという点では、常勤では不可能なことです

私はいろんな仕事にチャレンジすることで経験を積み重ね、試行錯誤しながら来ましたが、これから開業するとしたら、当初は事業の主軸を決め、あまり広げすぎずにやっていかれるほうがよいのではないかと思います。

そういう意味では、個人事業者よりも、会社形式にすると登記の関係で必要書類(事業計画書や、業務内容等)を書いたりするので、その過程で自分の目指すべき方向性がより明確になっていくかも知れません。

常勤として働いていたときは、身分保障があり立場も守られ、仕事を通じスキルアップをしていくことができましたが、開業(フリーになる)することで、身分の保障だけでなく収入の保障もなくなります。
しかし、頑張れば結果はついてきます。

依存的な人は開業には向かないのかも知れません。

私の場合、当初は収入の不安よりも、どこにも帰属していない不安定さを感じましたが、それもすぐ消失しました。自分で選択した働き方であることの思いと目の前の仕事に集中したからです。

確かに毎年契約の時期になると、不安がないといえばウソになりますが、その厳しさは覚悟の上のこと、今後もこの働き方の宿命と納得しています。

対人保健サービスは、マニュアル化された支援パターンがあるわけではなく、対象者に合わせ試行錯誤しながら支援法を探っていくため、悩みを共有したり、解決のために助言してくれる仲間の存在はより重要なのではないでしょうか。

そのために、できるだけ時間を作っては勉強会に出かけるようにしています。NPO保健科学総合研究会への参加もそのひとつです。昨年は、生活習慣病指導者養成講座を通じ、職域だけでなく地域の方にも参加していただきました。

また、仕事を通じて多方面の方との出会いがあります。これもまたよき刺激であり、今後ともネットワークの輪を広げて行きたいと思っています。

この連載も最初は、私には無理だ~と思ったのですが、いただいた仕事に感謝し、楽しむべしと考え直しお引き受けしましたが、読者の皆様に役立ったのかが一番の気がかりです。

つたない内容にお付き合いいただきありがとうございました。

著者
齋藤明子
看護師として臨床およびグループ企業の診療・健康管理を経験。29歳で保健師学校に進学。卒業後地域保健に3年ほど従事。先輩保健師の誘いで企業に就職。安全衛生健康管理活動および健康増進活動を行う。その後外資との合弁企業に非常勤雇用される。
平成10年ヘルス&ライフサポートTAK設立。個人事業主として活動を開始現在に至る。保健師・産業カウンセラー・労働衛生コンサルタントとして、中小事業場の健康管理体制構築支援、相談活動、介護認定審査会委員、NPO活動等を行っている。

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