保健師のビタミン

みんな手段で悩んでいる!目的にかえって考えよう!!

第1話本来の保健師って?

生活の疲れ、仕事の疲れ、そして○○の疲れ……今の時代周囲の環境は決して甘くはありませんが、せっかく保健師になったんですから……ストレス解消法をあれこれ考える前に、ストレスを原動力に活用することはできませんか?

保健師になって云十年……時折耳にする名言「初心忘るべからず」が身にしみませんか? この言葉は、行き詰った状態から心機一転、初めての感動を思い出し原点に返って、再チャレンジという意味があると思うのですが、一方経験豊富が売りの「ベテラン」が、視点を変えると「感動をなくした人」と言われてしまうこともありがちです。皆さんはいかがでしょうか?

昔のことを言っては何ですが、私が医師になったばかりの約30年前の保健師さんは、今とは随分違う仕事をしていましたね。自動血圧計もなく、むろん携帯電話やパソコンもなく、一方ルチーンワークもない中で、まさにワーキング・ディクショナリーとして、地域を駆けまわっていらしたイメージがあります。地域のことなら何でもお聞きとばかり、頼んでもないのに?たくさんのことを教えていただきました。

ところが、老人保健事業がスタートし、母子保健事業が市町村へ移行する中で、市町村保健師や栄養士は健診や相談を行う人材として数の上では急速に増えましたが、保健師の本来のパブリックヘルスへの役割があいまいになってしまったように思えます。

直接サービスの提供が保健師活動の第一に掲げられていた時代も長かったことから、保健師は公衆衛生看護から地域看護と名称が変化しながら、病院の廊下を延ばした、つまり地域住民の看護師として、その役割が変遷してきたように感じています。「公衆衛生よ何処へ」と言いたくなる象徴的な流れと感じています。

皆さんはどうして保健師になられたのですか?

西に高血圧がいると聞けば出かけて行き「脳卒中になるよ」と脅してやり、東に糖尿病がいると聞けばまた駆けつけて「目がつぶれるよ」と脅してやり、そしてこれからは中年デブをターゲットに不幸の電話やメールを乱射する……ルチーンワークに振り回されて……これが仕事ではないよね。

今こそ原点に帰る時!
 本来の保健師にかえって考えてみてください!!

これからの2カ月半 どうかよろしくお願いいたします。

著者
櫃本真聿
愛媛大学医学部附属病院 医療福祉支援センター長
愛媛県各地の保健所長を経て平成14年8月に現職にいたる。
愛媛CATV番組審査員、FM愛媛(79.7Hz)「care of life」のパーソナリティも務める。
―著作―
・「ケースメソッドで学ぶ ヘルスプロモーションの政策開発-政策化・施策化のセンスと技術-」(株)ライフ・サイエンス・センター発行
・「ヘルスプロモーション時代の 自治体保健専門技術職員の効果的活用」行政発行

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