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「体罰等によらない子育ての推進のためのガイドライン」の構成案を提示(第2回体罰等によらない子育ての推進に関する検討会)

10月28日、厚生労働省の「体罰等によらない子育ての推進に関する検討会」(座長=大日向雅美恵泉女学園大学学長)の第2回会合が開かれ、初会合における意見をもとにした「体罰等によらない子育ての推進のためのガイドライン」(以下、ガイドライン)の構成案が示された。

検討会は、今年6月に成立した「児童虐待防止対策の強化を図るための児童福祉法等の一部を改正する法律」で、親権者に子どもへの体罰および必要な範囲を超える懲戒行為が禁止されたことを受けて設置された。検討課題は▶体罰禁止の考え方▶体罰の範囲等▶体罰等によらない子育て推進方策及び保護者への支援策――で、年内をめどに取りまとめをする予定。同時に、体罰の範囲や体罰禁止に関する考え方を示したガイドライン作成を目指す。

9月3日の初会合では、「子どもの権利条約にあるように、子どもの権利を守るための取り組みというところから出発することが必要」「ネグレクトや心理的虐待、暴言、DVも視野に入れたほうがいい」「親だけでなく国民全体への広報、PRを」などの意見のほか、保護者支援の観点から「体罰をしてしまった親がどうしたら暴力や感情的な言葉を用いず育児ができるかというところに焦点を当ててほしい」などの意見も聞かれた。

この日事務局は、初会合の意見をもとに作成したガイドラインの構成案を示した。読み手の対象としては、妊娠期から子育て期の保護者を中心に、保護者以外の親族、地域住民、保護者に対する支援を行う者(自治体、NPO等)を想定し、子ども本人については別途、ガイドラインを踏まえて周知方法を検討するとしている。

ガイドライン全体は4つのパーツで構成する案を提示。《1.はじめに》では、今回の法改正で体罰を禁止した背景について解説するとともに、ガイドラインの目的が体罰などについての正しい理解の促進、子育てに悩んだときの支援であることを説く。《2.しつけと体罰は何が違うのか》では、二つが異なるものであることへの気づきを促し、頬をつねる、長時間正座させるなどの軽い体罰でも許されないことを盛り込む。《3.なぜ体罰等をしてはいけないのか》では、子どもの成長・発達への悪影響などを解説。《4.体罰等によらない子育てのための方策》では、体罰をしてしまうさまざまな要因を明らかにし、怒りのコントロール法など具体的な工夫のポイントや相談先を記載する。

議論の中で、福丸由佳構成員(CARE Japan代表)は用意した資料をもとに提言した。《3.なぜ体罰等をしてはいけないのか》に関しては、「逆境的小児期体験による医療費の損失は、一人あたり一生で100万ドルを超えるというアメリカの研究結果もあり、薬物乱用や自殺未遂など次世代への養育にも大きく影響する。こうした視点も盛り込んでほしい」と話した。《4.体罰等によらない子育てのための方策》に関しては、「子どもの肯定的な姿や態度、行動に肯定的に注目することが大事で、体罰などはその反対に子どもの否定的な姿や態度、行動に否定的な注目をしている」と説明、養育者と子どもとの関係性という視点の重要性を強調した。

ガイドラインの構成案は、おおむね出席した構成員から支持を得た。

この日はガイドラインの広報手段についても議論した。事務局は周知手段の例としてリーフレット、ポスター、ホームページ、SNS、周知機会(場)の例として妊娠届の届出時、乳幼児健診、両親学級、地域子育て支援拠点、民間主催のイベントを挙げた。

髙祖常子構成員(認定NPO法人児童虐待防止全国ネットワーク理事)は、再婚する親への子育て情報が不足している現状を取り上げ、「再婚の届出時などの機会に情報提供や子育て講座が必要」と提言。また、「保健師、助産師、医師でも、人によっては(体罰によらない子育ての)意識が行き届いていないので、そこも押さえてほしい」と、支援者に対する啓発の必要性を説いた。

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