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「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」が初会合

5月27日、厚生労働省の「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」の初会合が開かれた。

一般介護予防事業はポピュレーションアプローチの観点から、「通いの場」を中心とした取り組みが重視されるようになっている。昨年 12 月に取りまとめられた「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議報告書」でも、あらためて「通いの場」の活用が強調された。「一般介護予防事業等の推進方策に関する検討会」では、こうした新たな状況を踏まえ、今後の一般介護予防事業に求められる機能などを検討する。

一般介護予防事業は全ての自治体で何らかの事業が実施されており、平成29年度には9割近くの市町村が「通いの場」に取り組んでいる。しかしながら市町村ごとにばらつきがあり、専門職の関わりにも地域差が大きいのが現状だ。こうしたことから、検討会では▸一般介護予防事業が果している機能▸効果的な実施方策▸専門職等の効果的な関わり方▸PDCAサイクルに沿った更なる推進方策――などを論点として議論を進める予定だ。構成員は以下のとおり(五十音順、敬称略、◎座長、○座長代理)。

荒井秀典(国立長寿医療研究センター理事長)/安藤伸樹(全国健康保険協会理事長)/石田路子(特定非営利活動法人高齢社会をよくする女性の会理事、名古屋学芸大学看護学部教授)/鵜飼典男(公益社団法人日本薬剤師会理事)/江澤和彦(公益社団法人日本医師会常任理事)/◎遠藤久夫(国立社会保障・人口問題研究所所長)/大西秀人(全国市長会介護保険対策特別委員会委員長、香川県高松市長)/鎌田久美子(公益社団法人日本看護協会常任理事)/河本滋史(健康保険組合連合会常務理事)/黒岩祐治(全国知事会社会保障常任委員会委員、神奈川県知事)/小玉剛(公益社団法人日本歯科医師会常務理事)/近藤克則(千葉大学予防医学センター社会予防医学研究部門教授/国立長寿医 療研究センター老年学・社会科学研究センター老年学評価研究部長)/近藤尚己(東京大学大学院医学系研究科健康教育・社会学分野准教授)/齋藤秀樹(公益財団法人全国老人クラブ連合会常務理事)/田中和美(神奈川県立保健福祉大学保健福祉学部栄養学科教授)/○辻一郎(東北大学大学院医学系研究科教授)/津下一代(あいち健康の森健康科学総合センターセンター長)/濱田和 則(一般社団法人日本介護支援専門員協会副会長)/藤原忠彦(全国町村会顧問、長野県川上村長)/藤原佳典(東京都健康長寿医療センター研究所)/社会参加と地域保健研究チーム研究部長/堀田聰子(慶應義塾大学大学院健康マネジメント研究科教授)/山田実(筑波大学人間系教授)

初会合のこの日は、出席した構成員全員が自由に意見を述べた。近藤克則構成員は「データを見ると就労している高齢者は健康状態が落ちていない。通いの場だけを介護予防と捉えず、就労も含めた枠組みが大切ではないか」と指摘した。就労の重要性を指摘する声は他の構成員からも聞かれた。また近藤構成員は、「通いの場の参加率が約5%という数字が出ているが、私たちの高齢者に対するニーズ調査では15%くらいが『通いの場を利用している』と答えている。行政が把握しきれていないサロンなどがあるはずで、ぜひニーズ調査を活用して評価をしてほしい」と提言した。

石田路子構成員は「通いの場の参加率は年齢によって異なるので、高齢者をひと括りにせず年齢を細かく刻んでいく必要がある。また、都会と地方でも通いの場の在りかたは変わってくる」と話し、柔軟な対応を求めた。辻一郎座長代理は、アメリカの全米退職者協会の取り組みとして、高齢者が公立小学校で読み書きが苦手な子などを助けるボランティア活動を紹介した。この活動により、子どもの成績が上がり、非行も減り、教員のメンタルヘルスが改善するとともに、高齢者の運動機能、認知機能も改善したという。辻座長代理は「こうした地域の課題を解決するプロジェクトを介護予防の一端として考えてほしい」と話した。

検討会では、今年の夏ころに中間とりまとめ、冬ころに最終的なとりまとめを行い、結果は社会保障審議会介護保険部会に送られる。

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