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「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」の報告書とりまとめへ

11月22日、厚生労働省の「第5回 高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」(座長=国立社会保障・人口問題研究所所長)が開かれた。最終回となった今回、報告書案が提示され概ね了承された。

人生100年時代を見据え、国は2040年までに健康寿命の3年以上の延伸を目指している。そこで高齢者の疾病予防・健康づくりが課題となるが、高齢者は有病率が高く、病気の早期発見・早期対応に加え重症化予防が求められる。また、生活機能が急速に低下する後期高齢者においては、参加しやすい活動の場の拡大やフレイル対策なども重要だ。しかし、介護予防と生活習慣病対策は実施主体が異なり、フレイル対策は後期高齢者医療が中心であるなど、高齢者の保健事業と介護予防の連携、整備が必要な状況となっている。特に後期高齢者医療広域連合は、医療専門職の配置が難しく、市町村に保健事業を委託しているものの内容は健診のみの実施となっているなどの課題を抱えている。

こうしたことから、今年4月には「高齢者の特性を踏まえた保健事業ガイドライン」が取りまとめられた。さらに6月に閣議決定された「経済財政運営と改革の基本方針 2018」では、高齢者の通いの場を中心とした介護予防・フレイル対策や生活習慣病等の疾病予防・重症化予防について、市町村が一体的に実施する仕組みを検討することが明記された。これを受けて9月に「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」が設置され、これまで4回にわたり、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する制度的・実務的な論点の整理を目指して議論を重ねてきた。

最終回となったこの日は報告書案が提示された。構成は以下のとおり。

1 はじめに
2 後期高齢者の特性等
3 後期高齢者の保健事業の現状等
4 保健事業と介護予防の一体的な実施の意義・目的等
5 具体的な取組のイメージ
6 事業の具体的な実施体制等
7 医療専門職の活用に向けた体制整備
8 医療・介護情報等の一体的な分析、データ活用等
9 対象者の参加促進に向けた取組
10 財源の在り方等
11 おわりに

報告書案では、後期高齢者医療制度の保健事業と介護予防との一体的な実施にあたり、「通いの場」に着目。「健康課題にも対応できるような通いの場や、通いの場を活用した健康相談や 受診勧奨の取組の促進等」が必要であるとした。実施主体については、「市町村が中心となって取り組むことが効果的」と明記。その上で、事業全体のコーディネートや通いの場などの事業内容の充実を図るために医療専門職の配置を求め、そのための財源確保が必要であるとした。財源については、「後期高齢者医療制度の保険料財源を基本としつつ、後期高齢者医療広域連合に交付される特別調整交付金を活用し、専門職人材の新たな配置といった一体的な実施の核となる取組について費用の一部を市町村に交付することにより確保する」としている。

この日、報告書や資料の細かい表記について、修正を求める意見が出たが、後は座長預かりとなり、案は概ね了承された。今後、正式な報告書をとりまとめ、社会保障審議会介護保険部会、同医療保険部会に報告される。

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