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平成30年度全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議

8月30日、厚生労働省の「平成30年度全国児童福祉主管課長・児童相談所長会議」が開かれ、行政説明などが行われた。

緊急的に講ずる対策

今年3月に起きた目黒女児虐待事件。これをきっかけに、政府は6月15日に児童虐待防止に関する関係閣僚会議を開催、安倍総理から緊急対策が指示され、7月20日には「児童虐待防止対策の強化に向けた緊急総合対策」がまとめられた。同対策は「緊急的に講ずる対策」と「児童虐待防止のための総合対策」の2部構成で、このうち「緊急的に講ずる対策」は以下の6項目となっている。

Ⅰ 転居した場合の児童相談所間における情報共有の徹底
Ⅱ 子どもの安全確認ができない場合の対応の徹底
Ⅲ 児童相談所と警察の情報共有の強化
Ⅳ 子どもの安全確保を最優先とした適切な一時保護や施設入所等の措置の実施、解除
Ⅴ 乳幼児健診未受診者、未就園児、不就学児等の緊急把握の実施
Ⅵ 「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(新プラン)の策定

目黒の事件の反省に立ち、児童相談所の支援を受けている家庭が転居した際の引継ぎルールを見直し、全ケースについて事案の具体的な経緯や状況が分かるよう、ケースに関する資料とともに書面等により移管先の児童相談所へ伝えることなどを徹底。子どもと面会ができず安全確認ができない場合には、立ち入り検査を実施するとともに、必要に応じて警察へ援助要請することも明記した。また、乳幼児健診未受診や、未就園、不就学等で福祉サービス等を利用していないなど、関係機関が安全を確認できていない子どもの情報については、今年の9月末までに市町村において緊急的に把握するとしている。

さらに、「児童相談所強化プラン」(2016 年度~ 2019 年度)を前倒しで見直すとともに、新たに市町村の体制強化を盛り込み、2019年度から 2022 年度までを期間とする「児童虐待防止対策体制総合強化プラン」(新プラン)を年内に策定。児童福祉司の増員を現行プランの「550人程度の増」(2017年度の3,253人がベース)から「約2,000人程度の増員」へと拡張する。その内訳は、児童福祉司の配置を現行の人口4万人に1人から3万人に1人とし、里親支援児童福祉司と市町村支援児童福祉司を追加配置、さらに従来の虐待相談対応件数に応じた上乗せ分、としている。

児童虐待防止のための総合対策

児童虐待防止のための総合対策では、①児童相談所・市町村における職員体制・専門性強化などの体制強化②児童虐待の早期発見・早期対応③児童相談所間・自治体間の情報共有の徹底④関係機関(警察・学校・病院等)間の連携強化⑤適切な司法関与の実施⑥保護された子どもの受け皿(里親・児童養護施設等)の充実・強化――の6つの柱を立てた。

①については、子ども家庭総合支援拠点の立ち上げ支援マニュアルを今年度内に作成するなどとしている。また、②については、未就園児がいる家庭の訪問などを進めるとしている。

児童相談所での児童虐待相談対応件数

平成29年度の児童相談所での児童虐待相談対応件数は前年度より11,203件多い133,778件(速報値)で、過去最多となった(対前年度比109.1%)。統計を取り始めた平成2年度から27年連続の増加。内訳は心理的虐待が72,197件(54.0%)で最も多く、次いで身体的虐待33,223件(24.8%)、ネグレクト26,818件(20.0%)、性的虐待1,540件(1.2%)だった。厚生労働省は、心理的虐待が増加した要因として「面前DVなど児童が同居する家庭における配偶者に対する暴力がある事案について、警察からの通告が増加した」としている。

居住実態が把握できない児童について

平成29年度「居住実態が把握できない児童」に関する調査結果(概要)によれば、平成30年6月1日現在で居住実態が把握できない児童は28人だった。また、平成28年度調査から引き続き居住実態が把握できない児童は、28人のうち8人だった。

調査対象児童は、平成29年6月1日時点において全国1,741市町村(特別区を含む)に住民票がある児童のうち、▶乳幼児健診等の乳幼児等を対象とする保健・福祉サービスを受けていない、児童を対象とした手当の支給事務などに必要な各種届出や手続きを行っていない等の状況にあり、市町村が連絡・接触ができない家庭に属する児童▶市町村教育委員会が、学校への就園・就学に係る事務の過程で把握した児童で、市町村教育委員会等が連絡・接触ができない家庭に属する児童――のいずれかに該当し、市町村が所在の確認が必要と判断した児童。調査対象児童数1,183人のうち、所在が確認できたのは1,155人(97.6%)だった。1,155人の内訳は、東京入国管理局に照会して出国確認できた児童が500人(43.3%)、関係機関等による目視・情報提供等により確認できた児童が655人(53.7%)だった。655人のうち、同一市町村で確認できたのは8割以上に上った。

 

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