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平成29年度全国厚生労働関係部局長会議から(挨拶、社会・援護局、障害保健福祉部)

1月18日、厚生労働省の「平成29年度全国厚生労働関係部局長会議」が開かれた。全国から集まった都道府県、政令市、中核市などの担当者に向けて、各部局から法改正や来年度予算案について説明がなされた。高木美智代厚生労働副大臣の挨拶、社会・援護局、障害保健福祉部の説明について報告する。

高木厚生労働副大臣の挨拶《要旨》

働き方改革は一億層活躍社会の実現に向けた最大のチャレンジであり、政府一丸となって取り組みを進めている。厚生労働省としても長時間労働の是正などの改革を実現するため、法案の早期提出に向けた準備を着実に進めている。地方の中小企業まで働き方改革の取り組みが浸透するよう、引き続きご協力をお願いしたい。

また、来年度は医療計画、介護保険事業計画、障害福祉計画の新たな計画期間が始まる年であり、6年に1度の診療報酬、介護報酬、障害福祉サービス等報酬の同時改訂が行われる重要な節目の年である。このため報酬改訂の結果を踏まえつつ、これらの計画に沿って着実に取り組みを進めていただきたい。

4月からは国民健康保険制度の都道府県単位化が始まる。制度の円滑な施行に向け、取り組んでいただきたい。また、医療、介護、障害福祉などの分野におけるICTの活用により、質が高く効率的なサービスの提供が可能になるとともに、行政事務の効率化を図ることができる。このため各分野におけるICTの活用の推進にご努力をお願いしたい。

受動喫煙対策については、望まない受動喫煙のない社会の実現に向けて、できるだけ早期に法案を国会に提出できるよう準備を進めている。各種支援策の推進、普及啓発の促進など、総合的かつ実効的な取り組みの推進にご協力をお願いする。

子ども子育て支援では、昨年12月に閣議決定された新しい経済政策パッケージに、子育て支援に関して、幼児教育の無償化、待機児童の解消、保育人材の処遇改善などが盛り込まれている。待機児童対策や放課後児童対策、妊娠期から子育て期にわたる切れ目のない支援、また児童虐待防止対策や社会的養育、ひとり親家庭支援など、地域の実情に応じた包括的な子育て支援に引き続き取り組んでもらいたい。

昨年12月には改正旅館業法が成立し、今後も施行に向けた準備が本格化する。無許可民泊に対する取締りなど、旅館業の適正な運営の確保にご協力をお願いする。

生活困窮者等のいっそうの自立の促進に向けて、生活困窮者に対する包括的な支援体制の強化や、生活保護世帯の大学等への進学支援などを図るため、法案の早期提出に向けた準備を進めている。また、審議会での議論を踏まえ、個々の世帯への影響などに十分配慮しつつ、生活保護基準の見直しを図ることとしているので、適切に取り組みを進めていただきたい。

厚生労働行政には福祉部局、労働部局の枠を超えて、連携して取り組むべき課題が多くある。特に地方共生社会づくりなどはそれがなければできないことと思っている。これらの課題を解決するため、部局横断的に取り組んでいただきたい。厚生労働省としても、皆様と連携し、しっかりと施策を進めていくので、今後とも皆様のご理解とご協力をお願いする。

社会・援護局

昨年12月にまとめられた「社会保障審議会生活困窮者自立支援及び生活保護部会」報告書では、自立支援相談の施行後、新たに相談につながった人が増える一方、支援につながっていない困窮者を相談につなげることが必要であると指摘している。これを受けて、定塚由美子社会・援護局長は「税、水道、住宅などさまざまな窓口で滞納などから困窮者を把握した場合に自立相談機関の利用勧奨をして窓口につなげるよう、関係機関の連携促進を法律で規定する」と、通常国会に提出する生活困窮者自立支援法の改正案に盛り込む方針を示した。また、報告書では予防の視点から生活保護受給者の生活習慣病有病率の高さや、食事・運動など生活習慣の問題も指摘しており、データに基づき生活習慣病の予防などを推進する「健康管理支援事業」の創設も生活保護法の改正案に明記する方針。

法改正、来年度予算案では、貧困の連鎖を防ぐことにも力点を置いた。生活困窮世帯の子どもの学習支援、自尊感情の醸成、ソーシャルスキル・生活環境・大学進学率の向上などが課題となる中、生活困窮者自立支援法の改正案で生活習慣・環境の向上などを学習支援事業の内容として明記する予定だ。小学生や高校生の中退者も含めた学習支援事業を拡充する予算も確保する。大学進学については、この4月から自宅通学10万円、自宅外通学30万円の「進学準備給付金(仮称)」を支給する法改正を目指している。なお、生活困窮者自立支援制度関係の平成30年度予算案は、前年度から31億円増の432億円を見込んでいる。

この4月からは、地域共生社会実現に向けた市町村の包括的な支援体制の整備がスタートする。これに向けて、今年度は85自治体でモデル事業が実施されているが、定塚局長は「(来年度は26億円と)さらに予算を充実しているので、多くの自治体からの参加・応募を期待している」と話した。

社会・援護局障害保健福祉部

社会・援護局障害保健福祉部の平成30年度予算案は前年度から1,162億円増の1兆8,648億円となった。このうち障害福祉サービス関係費(自立支援給付費+障害児措置費・給付費+地域生活支援事業費等補助金)は1兆3,810億円で、この10年間で2倍以上に増加している。内訳は、良質な障害福祉サービス・障害児支援の確保1兆3,317億円、地域生活支援事業等の拡充493億円、障害福祉サービス等の提供体制の基盤整備(施設整備費)72億円、医療的ケア児に対する支援1.8億円、精神障害にも対応した地域包括ケアシステムの構築5.6億円、発達障害児・発達障害者の支援施策の推進4.1億円、農福連携による就労支援の推進2.7億円、依存症対策の推進6.1億円――などとなっている。

平成30年度の障害福祉サービス等報酬改定について、宮嵜雅則障害保健福祉部長は「財政状況が非常に厳しい中、プラス4.7%という改定率を確保した」と話した。各サービスの報酬決定にあたっては、検討チームが5つの基本的な方向性を打ち出している。5つの方向性とは、①障害者の重度化・高齢化を踏まえた、障害者の地域移行・地域生活の支援等②障害児支援のサービス提供体制の確保と質の向上(医療的ケア児への対応等)③精神障害者の地域移行の推進④就労継続支援に係る工賃・賃金の向上や就労移行、就労定着の促進に向けた報酬の見直し⑤障害福祉サービス等の持続可能性の確保と効率的かつ効果的にサービスの提供を行うための報酬等の見直し。これに基づいて2月上旬には報酬改定の概要を取りまとめる予定だ。

平成28年12月の「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」(IR推進法)の成立をきっかけに、ギャンブル依存などについて国民的な関心が高まっており、来年度からは精神・障害保健課に新たに「依存症対策推進室」が設置される。

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