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【レポート】パネルディスカッション「スマホ時代を賢く生きる ~困っていませんか 子どものスマホ~」

子どもたちにスマホが浸透する中で、ネット犯罪などのトラブルだけでなく、心身の健全な発育にも支障が出る危険性が指摘されている。7月2日、東京都文京区の日本医師会館大講堂で、日本小児連絡協議会主催(日本医師会共催)のパネルディスカッション「スマホ時代を賢く生きる ~困っていませんか 子どものスマホ~」が開かれた。

日本小児科医会「子どもとメディア委員会」の内海裕美氏は「スマホ社会の落とし穴」をテーマに講演。スマホの長時間使用により中高生の視力、学力、コミュニケーション能力の低下が生じることや、乳幼児期からの早期接触では発達に支障が出ることなどを挙げ、安易な使用に警鐘を鳴らした。

山梨大学大学院総合研究部医学域基礎医学系社会医学講座の山縣然太朗氏は、講演「大人はどうすればいいのか ~地域や学校の取り組み~」の中で、公衆衛生の立場から子どもとICTに関する健康問題、地域の対策などに触れた。健康問題としては長時間使用によるVDT症候群、睡眠・運動時間の減少、ネット依存、社会性の発達への悪影響などを挙げ、ネット使用に問題のある中高生の5人に1人がうつ傾向にあることなどを報告。地域の対策では、愛知県刈谷市の「夜9時以降は保護者がスマホを預かる」取り組みなどを紹介した。

独立行政法人国立病院機構久里浜医療センターの樋口進氏は、「子どものネット依存症の現状と課題」をテーマに講演し、ネット依存症の治療は本人が自らの意思で行動を変えていくよう援助することが基本であると説明した。また、WHOと久里浜医療センターが共同で、「ゲーム障害」という名称でネット依存症に関するガイドライン策定に向けて取り組んでいると報告した。

慶應義塾大学病院の坪田一男氏は「スマホと子どもの目」をテーマに講演。長時間のスマホ使用による屋外活動時間の減少と、近視急増の関連を説き、海外では高度近視による失明も増えている現状を伝えた。また、夜間のスマホ使用はブルーライトで体内時計が乱れ、睡眠障害、高血圧、糖尿病、肥満など、さまざまな問題を引き起こすリスクがあると報告した。

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