ひよこアフター

学生時代に保健の重要性を痛感し、保健師の道を目指した竹川さん。
今はどんな思いを抱きながら保健活動をしているのでしょうか。

竹川彩加さん(山梨県)
「保健師は、人との出会いが絶えないすばらしい仕事」

持前の明るい性格で、体当たりで頑張った3年間

竹川彩加さん扉

2013年5月号より

入職1年目の配属先は、山梨県中北保健福祉事務所峡北支所の地域保健課。ここは結核などの感染症を扱う部署で、もともと感染症に興味があった竹川さんにとっては大変やりがいのある職場でした。しかし、先輩が異動してしまった2年目からは、たった一人で課をきりもりしなければならない状況に。しかし他の保健所保健師がさまざまな場面で手助けしてくれたことで、何とか切り抜けることができました。

竹川さんがこの道に進んだきっかけの一つは、ある新聞記事で、医療従事者の知識不足からつらい思いをしたC型肝炎の妊婦さんの記事を見たこと。もう一つは、看護大学の実習の中で、腹水が溜まっているのに運動に励んでいたことから、何度も入退院を繰り返す患者さんに出会ったことでした。このときに、患者の生活の場は地域であることを実感し、治療の分野よりも、地域の中で、住民の病気の予防や健康な生活を支えるような仕事に携わりたいと思い、保健師という仕事を選択するにいたったそうです。

日々の活動では、患者さんが置かれた環境を総合的に判断して、保健師として何ができるかを常に考えることを心掛けたといいます。
人見知りしない明るい性格で、地域の人たちに可愛がられている竹川さんです。

これまでの出会いを大切に、人々が安心して暮らせるまちづくりをしていきたい(竹川彩加)

あれから4年経ち、保健師7年目に入りました。

前回は、初めての異動を前にとてもドキドキしていたのをよく覚えています。

最初の異動は本庁の障害福祉課で、ここでは主に自殺対策の政策立案等に携わりました。数々の困難を経験しましたが、本県の大きな課題であった自殺対策に奮闘した2年間は、日々多くのことを学ぶことができ、出会いが絶えず、私を大きく成長させてくれたと感じています。

昨年度(2015〈平成27〉年度)からは、峡南保健福祉事務所へ異動となりました。山梨県内でも最も高齢化が進む地域を管轄しており、自然に囲まれた、人と人との温かいつながりのある地域です。現在は、難病患者や病気の子どもたちの療養生活の支援、在宅療養を希望する方が住み慣れた地域で安心して生活できる体制整備を目指して、医療と介護の連携推進に関する事業などを担当しています。
管内の市町村保健師とのつながりも強く、所属を越え、保健師として地域で一体となって仕事をしています。

まだ、保健師になって6年ですが、複数の仕事を経験して感じているのは、保健師は人との出会いが絶えない仕事であること。住民の健康や健やかな暮らしを守り、生活を支え、つないでいく保健師の仕事は、家庭訪問、相談等の個別支援や関係機関との連携を通じて、多くの人との出会いがあります。また、これらの業務から学ぶことも多く、6年間で改めて視野や人間関係の広がりを感じています。これまで、出会った人たちとのつながりは私の財産です。

峡南保健福祉事務所の先輩たちと一緒に

峡南保健福祉事務所の先輩たちと一緒に

 

 

 

 

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