藤本さんの講演旅行記

web版 講演旅行記-12 通算第30回
過去写真館-②

2018-07-02

前回、過去写真館として、北海道などを紹介。
今回は3回も訪れた和歌山県特集。
日帰りのできない遠方からの依頼、第1号。2012年1月にお電話を頂き、最初の訪問はその1年後の2013年1月。もう2度と行く事はないだろうと、カミさん同道で2泊3日の旅をしたのだが、帰宅したら、ナント次の依頼メールが来ていて、2か月後の3月に、今度は1人で訪問。さすがにもう、これでおしまい―のはずが、2014年12月に3回目…。ま、これは少し場所が違ったのだけれど、それでも前2回の保健師さんたちとも一杯。
3回目の訪問の時は、何故かほとんど写真を撮っていなかったので、今回は2013年の写真で観光案内。
今回の最後の方には、人気の動物の写真も登場しますよ。

和歌山県といっても、県庁所在地で紀州徳川家の和歌山城があった和歌山市は列車で通過のみ。有名な高野山にもご縁はなく、もっぱら県南部の田辺市、白浜町、那智勝浦町およびその周辺しか知らない。
では、早速、有名な白良浜(しららはま)。


町の名前の由来になった海岸で、文字通り、白い。石英を多く含む砂らしいが、現代的開発の影響で砂の流出が止まらず、ナント、オーストラリアから砂を運んだ事もあったらしい。写真の右上の海の向こうには、わかるかな、うっすらと陸が見えて、それ、つまり四国、おそらく徳島県辺り。
講演は1日目の到着直後に済んでいて、2日目と3日目はレンタカーを借りての純粋な観光。何でも、みなべ町の介護福祉士さんが、元旅行会社で7年も勤めていらしたという事で、非常にご丁寧な旅行計画を事前に提示して頂いていたので、それを元にレンタカーでぐるっと和歌山県南部の旅と相成った次第。
まずは、熊野本宮大社に。熊野三山のひとつである。



何というか、貫録がある。周りの森とあいまって、ど~んと構えている風情がさすがである。
そして、外にはこんなポスト。



黒い。「八咫(やた)ポスト」と書いてあるが、アップにすると


う~ん、これでもわかりにくいが、3本脚のカラス、八咫烏(ヤタガラス)である。サッカー日本代表のシンボルマークにも使われているのだが、ご存じないかな? 古代、神武天皇の道案内をしたという伝説の鳥である。カラス好きの私は、当然、このカラスのお守りも買った。


続いて向かったのは、熊野速玉(はやたま)大社。社殿が鮮やかな朱色。

三重県との県境に近く、新宮川の河口に近い。その川沿いの道をひと息に山から下ってきた感じ。
本宮とは趣が全く異なる印象が面白かった。
次は熊野三山の最後、熊野那智大社。

ほらね、ここにも八咫烏。
そして、敷地続きに那智山青岸渡寺(せいがんとじ)。

天台宗のお寺。昔はこうやって、神社とお寺が仲良く建っていたのだが、多くは明治政府によって破壊された。三山の、他のふたつの神社にも昔は寺が寄り添っていたそうだ。「維新」の名の下で、こういった破壊行為があったのは、残念。
「三山」という呼び名も、その寺があった時代の名残であろう。神社は基本的に「山」とは関係ないのだが、寺には「山号」というのがある。有名な所では「高野山金剛峯寺」「比叡山延暦寺」「成田山新勝寺」などがあるでしょう。なので、「熊野三山」は、熊野の地域の3つのお寺、という意味になる。
そして、近くに那智の滝。本当に素敵な滝だ。

神社ばかりじゃ面白くない? 人気の動物が何か知りたい?
まったく、近頃の若いモンは…。いや、私も昔はそうだった┓(´―`)┏
ま、もう少しおつきあい下さいませ。
熊野三山を見終わってから那智勝浦町でマグロを頂き、次に向かったのは、本州最南端の潮岬(しおのみさき)。夏になると台風の報道で、よく聞く名前でしょう。
潮岬灯台。

この灯台は上る事ができる。写真ではまったくわからないが、非常に風が強い日で、上に上がると
会話ができない程だった。
そこから眺めた太平洋。


このずっと先には台風が発生する海があり、さらに先にはオーストラリア大陸がある。
夕食は白浜の宿に戻って、近所の料理屋に。
ここで生まれて初めて食べたのが、これ。

この写真だけで何だかわかる人はごく少数でしょうねぇ。
ウツボです、ウツボ。後で生きているヤツの写真を紹介するが、これは東京近郊ではお目にかかった事がない食材。ぷりぷり、というかコリコリというか、食感が独特で美味であった。

3日目。この日も盛り沢山。
まずは、南紀白浜のシンボルと言われる円月島(えんげつとう。ただし、本名は「高嶋」らしい)を左に眺めながら北上。この独特の形は白浜空港上空からも見えて、あ、白浜に来たなって思う場所だ。


目指したのは、「南方熊楠(みなかたくまぐす)記念館」と「京都大学白浜水族館」。
でも、熊楠の方は、皆さんあまり興味ないだろうから写真は省略。水族館も、実に地味であり、イルカのショーなんかはもちろんやっていない。だいたい、私が訪れた理由もちょっと変わっていて、見たかったのはシロボヤ。東北の三陸で食されるホヤと違って、あまり食用には向いていないらしいが、どんなモノなのかを見てみたかったのだ。
だけど、皆さんには興味がないでしょうから、写真の紹介は前夜に食したウツボにしておこう。

京大水族館の後は、やっと人気動物の登場。最後に向かった先は、白浜の人気施設「アドベンチャーワールド」。遊園地・動物園・水族館を兼ね備えた施設。そして、ここは中国成都市の「成都大熊猫繁育研究基地日本支部」でもある。大熊猫=ジャイアントパンダ。

今、東京の上野動物園で大行列ができる程の人気の子パンダだが、こんな風に普通に目の前にいるのだ。

そして大した行列もなく、見放題! しかも。屋外にも普通にいる。


このようにえさを食べているのもいれば、だらしなく昼寝しているのもいた。

自由だ…。
今現在も、5頭飼育しているらしい。上野動物園は私にとって、とても身近な場所なのだが、パンダが好きな方には、上野より白浜がお勧めである。
パンダだけではない。シロクマの展示では目の前に泳いでも来るし、

水族館部門ではイルカのショーもお見事。

後に3回目の和歌山訪問ではイルカの刺身も食べたが…。
全体的になかなか工夫のある施設であった。
子供連れには1日中飽きない所であろう。
最後に、一時は自殺者が多いと言われた景勝地「三段壁(さんだんべき)」、近くの「千畳敷(せんじょうじき)」を巡って、帰路に。

今までにも何度か書いたが、こんな風にまるでご縁のなかった土地にお呼び頂いて、そうでもなければ出会う事も体験する事もなかったであろう人々や事物と接し、食べる機会がなかったような物を食す―そんな楽しみを教えて頂いた、和歌山講演旅行であった。前回紹介の函館の方が先なのだが、ここまでしっかりと遊んだのは、和歌山が最初であった。
そして、遊び半分の講演旅行という感覚も、この体験から始まってしまった…。

さて、次はどこを紹介しようかな。

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