藤本さんの講演旅行記

web版 講演旅行記-1 通算第19回
久喜市・厚木市・茅ヶ崎市・横浜市・葉山町・蓮田市・岩泉町

2016-05-23

雑誌の方は隔月刊になったが、講演の方はむしろ増えている。その結果、今までのような調子で「講演旅行記」を連載の中で書いていると、毎回「講演旅行記」になってしまう恐れがある。
しかし、それでは他のテーマが書けなくなる。まだまだ動物の事も書きたいし、音楽の事や他の事も書きたいし、たまには役に立つ事も書きたい。なので、どうしよう……と迷っていたのだが、担当の編集者から「旅行記はwebでどうですか?」という、何ともスバラシイご提案を頂いた!
というわけで、今回から、旅行記については、こちらでお会いしましょう(*^―‘)b

2015年10月、埼玉県久喜(くき)市。埼玉県北東部に位置する。平成の大合併で、周辺の菖蒲町・栗橋町・鷲宮町と合併、現在の人口は約15万という規模。高速道路や鉄道で通過した事はいくらでもあるが、久喜の地に降り立つのは今回が初めて。隣市の幸手(さって)市で1年半前に講演をしたが、その時数人の保健師と事務の方が久喜から来てくれていて、一緒に写真を撮った。今回、やっとその写真も下さるとの話。
土曜の午後、浦和のクリニックの勤務を終えて、宇都宮線で向かう。駅までKN係長のお迎え。会場は「ふれあいセンター久喜」で、市民を対象に「最近、笑っていますか? ~上手なストレスとの付き合い方~」というお題。前月の戸田市と同じような話。話す側としてはマンネリ的な気がしているが、聴かれる方は初めての方なので、まあ、それなりに喜んで頂けたか。担当のA保健師からは、後日「期待以上の素晴らしいお話」とメールを頂いたが、何を期待されていたのか、と、ちょっと冷や汗…。
終了後は懇親会。中央保健センター長で保健師のNGさんなど10人で。久喜で一番オシャレなお店とか。肉中心の料理で、ワインを沢山頂き、さらに二次会では飲んだことのない日本酒を頂戴した。幸手にも来てくれていたKBさんも参加していて、やっと写真を頂いた。今回も一次会で写真を撮ったので、いつ下さるのかとKBさんに尋ねると、また今度会った時に、と、イジワルを言う。さて、そんな日が来るのだろうか―と案じていたら、年末に送って下さった。老い先短いかもしれない事を、やっと理解して頂けたか。

月末には前代未聞の1日2講演。週に2回でも多過ぎないかと前に嘆いていたのだが。先に決まったのが午後の神奈川県茅ヶ崎(ちがさき)市。それを知った同県厚木(あつぎ)市のG保健師が、遠くまで来るのだから1日で済ませた方が良いでしょう、だから午前中に厚木で―と言うので、なるほど、と、つい引き受けてしまって、しばらくしてから2講演という事実に気づいた次第。間抜けもいいところだ…。
鉄道を3路線乗り継いで本厚木(ほんあつぎ)駅に行き、放課後等ディーサービスと児童発達支援事業所などの職員向けに「自身を守るためのセルフケアの実際と支援者のメンタルが利用者に及ぼす影響について」という演題。終わって、すぐに茅ヶ崎に向かう。後日Gさんから、次の機会があれば「厚木の特産品トン漬けランチの食べられるお店をご紹介いたします」というメールを頂き、また行かなくてはならないような気がした。
茅ヶ崎に着いてからネットで事前に調べたラーメン屋で昼食、その後、茅ケ崎保健福祉事務所に向かう。今回の対象は、茅ヶ崎市、寒川町(さむかわまち)、鎌倉市、葉山町(はやままち)、逗子(ずし)市、三浦市の行政保健師で、内容は「対人援助スキルを磨こう~関わり方と援助者の心得~」。少人数で読者も多く、和やかなうちに終了。そして、駅近くで懇親会。県職の方と鎌倉・茅ヶ崎・逗子各市の方と12人で楽しく過ごす。懇親会のみ参加の方もいて、私もこれからはそうしようかと思ったりもしたが、それじゃあ、呼ばれまい。県と市の交流も、最近はなかなか無いそうで、そのきっかけとしてもお役に立った様。海鮮を中心に、実に豊富な料理だった。

翌11月は1件もなく、何だか逆に物足りないように感じた。講演があり過ぎて、感覚がおかしくなってしまったようだ。で、12月、またまた神奈川県。今度は横浜市神奈川区で生活保護のワーカーさん相手の講演。
2013年2月に、同市西区でやはりワーカーさん相手の講演をしたが、その時のK係長が現在は神奈川区の課長になっていらして、再び声をかけて頂いた次第。演題は「ココロヲカルクスルセミナー~悩みをはき出しリフレッシュして新年を迎えよう~」。後で知ったが西区の時にも聴きにいらしていた方も参加されていたらしく、私から言わせれば、相当物好きな方である。気分転換にちょうど良い、といった効果はあるのかもしれないが。終了後にはK課長、窓口となったY係長などと9人で懇親会。年の締めくくりの講演であった。この年度は7月から講演が始まり、年末までの6カ月で11回。いやいや、多過ぎる…。

年が明けて2016年1月下旬。またも神奈川県。何故かこの年度は神奈川が多い。葉山町の管理職を対象としたメンタルヘルス研修。ハラスメント問題も含めての「職場におけるメンタルヘルスについて」というお題。
前述のように10月末に茅ヶ崎で講演をしたが、今度の葉山町はその近隣であり、偶然かどうか、茅ヶ崎講演の前日に依頼が来た。県の鎌倉保健福祉事務所からの紹介という事で葉山町総務課のY氏からの連絡だったが、鎌倉保健福祉事務所の方とはこの時点では会った事もない。随分、無責任な紹介である。そして、茅ヶ崎の懇親会の時点で葉山の講演が話題となり、茅ヶ崎講演の数日後には、鎌倉保健福祉事務所のY保健師の暗躍が始まった。Y保健師とは茅ヶ崎の講演と懇親会でご一緒したが、その懇親会に参加していた保健師たちと、葉山講演の日にせっかく近くに来るのだからまた飲もうというのだ。そして結果的に、葉山の懇親会に、葉山の関係者の2倍の鎌倉・逗子勢力が参加していて、葉山の人たちが隅っこに居たような気がする。Y保健師をはじめ、愉快な神奈川人たちであった。

翌週の2月初旬。今度は埼玉県蓮田(はすだ)市。県の北東部で冒頭に紹介した久喜に近い。この日は懇親会の予定はなく、朝は普通に相談室で仕事をしてから車で向かう。教えて頂いた蕎麦(そば)屋で昼食を頂くが、とてもおしゃれな店で、バーのような雰囲気。更に、天ぷらにビックリ。天せいろ、つまり天ぷら付のざる蕎麦を食べたのだが、その天ぷらの具のひとつに、ナマズが含まれていた。埼玉のような内陸では昔からナマズを食し、特に冬が旬とされるが、こうした店では初めての経験であった。
市民向けの講演で、テーマは「心のサインに気づいて!~ストレスに負けず、イキイキ過ごすコツ~」。まあ、いつものように何となく終わり、担当のIさんからは「参加した皆さんの満足度が、とても高い講演会をして頂けた」というお礼のメールを頂いた。皆さん、褒め上手である。講演後は相談室に戻って、夜の部の通常通りの仕事。

2月下旬。岩手県岩泉町(いわいずみちょう)。前年の9月と更に1年前の9月に続き、3度目の岩泉講演である。今回は町の第三セクター各社の共催で、町の後援という形。各社の社員さんが対象で「働く人々のためのメンタルヘルス講演会~ストレスとの上手なつきあい方~」。各社から合計100名以上が参加され、まあ無事に終わったのだが…。
どう考えても、岩泉町はオカシイ。なぜ私をこんなに呼ぶのだろう? 今回は町の予算ではないにしても、町も後援していて町の保健センターが会場であり、懇親会も保健福祉課から多数参加。さらに来年度も予算を確保した、なんて言う。同じ県、というのは地元以外で新潟の4回が記録であったが、岩手県は普代村も含めて今回が4回目で並んだ。更に同じ市町村という事では岩泉がトップである。
何をそんなに気に入って下さったか理解不能だが、私もすっかりなじんでしまって、保健師たちもT栄養士もM歯科衛生士も、もうすっかり仲良しであるし、3回連続懇親会場になった飲み屋のマスターとも馴染みの客みたいに話している。そして、日帰りできないから宿泊する→近くのホテルに帰るだけ→懇親会で深酒―という悪循環が発生するというパターン…。
皆さん温かいから居心地が良いのは当然だが、何だかそのうち、岩泉で過ごすのが当たり前になり過ぎて、気がついたら、いつの間にか岩泉に住んでいた…なんて事にはならないように注意する必要がありそうだ。
講演前には育休に入っているMさんと盛岡で再会。赤ちゃんと3人で昼食、講演翌日には前にわんこそばをご一緒した半弟子Iさん、私の窓口になっているH保健師と3人で、今度は盛岡冷麺を食べる。その後、最近流行の「ふくろうカフェ」に寄ってから帰路へ。

こうやって振り返ってみると、やっぱり私の講演旅行は遊んでばかりだ。岩泉のように特に遠方だと、講演2時間に対して遊びが何時間なのだろう…。計算するのは、やめておこう。

追伸; 実は、今回の原稿については、web用に書いたのではなく、誌面掲載用に詰め込んで書いたものです(;^_^A
なので、取り上げた地域の皆さま、窮屈で忙しくて、ごめんなさいね(^.^)(-.-)(__)
次回からはweb版として意識しながら、今までとはちょっと違う感じで工夫しようかな―なんて、漠然と思っています(*^―‘)b

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