東京加害者臨床研究会 第32回例会(2025/12/6)
【被害者支援と整合性のある加害者「更生支援」を目指す】
DV防止法の施行以後、精神科クリニックや相談室に来所するDV加害者が増えており、加害者の心理療法の方法論に関する研修の必要性が高まっています。しかし、加害者は言い訳や自分の考えの正当化により変化しにくく、臨床家にとって独特な困難を感じさせます。加害者の心理療法は、従来の臨床とは異なる方針と面接スキルが必要であることが分かっています。
この研修会では、DV克服を目指す男性の変化を、丁寧に、そして徹底して促進するための有効なアプローチを提供してきました。関心のある方のご参加をお待ちしております。
【“加害者臨床”の言葉について】
草柳和之氏による造語。雑誌『現代のエスプリNo.491:加害者臨床』(至文堂,2008年)として特集されたように、近年、徐々に専門家の間で、この用語が使用されてきている。この言葉の初出は、草柳和之の論文「加害者のDV克服支援からの新たな視点―フェミニズムと“加害者臨床"の統合モデルに向けての試論」 『国立婦人教育会館研究紀要第4号,2000』 である。
■ 開催日時
2025年12月6日(土)14:00~17:00
※終了後、短時間の懇親会を行います
■ 会場
都内研修会場(JR山手線高田馬場駅数分)
※会場は参加の方へ個別にお伝えします
■ 対象
医療・保健・福祉・教育・相談関係職
※この研修会の性質上、DV加害経験のある方のご参加は、ご遠慮ください
■ 講師
草柳 和之
(大東文化大学非常勤講師、メンタルサービスセンター代表・カウンセラー、他)
■ 内容
【第32回例会テーマ:離婚後、子に会えないDV加害者の苦しさを適切に扱う】
DV加害者が離婚した後、子どもとの面会交流が大きな問題となります。被害女性にとって、元夫とやりとりすること自体、苦痛でたまらない、などの事情により、面会交流を拒否する例が多数あります。この場合、単に「子どもの成長のために父親との接触が必要」とする訳にはいきません。加害者には離婚された恨みや、生活上の寂しさ・不安があり、身勝手な考えに固執して、家庭裁判所に子との面会交流を求めて調停を起こすケースも存在します。今回は、元妻側の事情や気持ちを適切に配慮し、加害者が子と会えない現実をいかに受容するか/子どもと会えずとも子が成長した時点で再会する可能性を前提に、いかに建設的に悔いなく生きるか――という更生支援の実際を扱います。加害者の内にある、元妻や子への独りよがりな考え・感情を整理するアプローチも、デモンストレーションを交えて紹介します。
・関連論文
草柳和之「DV加害者更生プログラム-体系化された加害者の心理療法序論」『こころの科学No.172/2013.11』(日本評論社)
■ 参加費
初回参加の方:予約2,000円(当日=2,500円)
継続参加の方:予約3,000円(当日=3,500円)
■ 申し込み方法
※電話連絡の後に、参加費の振り込みをお願いします。
※主催者都合の不催行を除き、納入額の払い戻しは致しかねますことを、ご了承ください。
[振り込み先]
・みずほ銀行 桜台支店 (普)1438903 名義:メンタルサービスセンター 草柳和之
■ 主催・問い合わせ先
【予約申込:東京加害者臨床研究会事務局 メンタルサービスセンター内】
TEL:03-5926-5302/070-5016-1871
〒173-8799 板橋郵便局留
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