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障害保健福祉関係主管課長会議

3月7日、厚生労働省の「障害保健福祉関係主管課長会議」が開かれた。障害保健福祉部長のあいさつと資料を掲載する。

橋本泰宏障害保健福祉部長のあいさつ【要旨】

障害保健福祉部の予算は2兆22億円を予定している。30年度と比べると1,374億円の増、率にすると7.4%の増となる。特に大きいのは、障害福祉サービスにかかる人的な経費と地域生活支援事業にかかる経費で、合計すると1兆5037億円になる。中でも地域生活支援事業は厳しい財政状況の中、対前年度2億円増の495億円を計上した。第6期の計画期間の中で地域生活支援事業の効果的な運営をはかるため、来年度は国として引続き調査研究を実施するが、補助率10分の10で自治体の皆様が地域の実態把握を行う事業を地域生活支援促進事業の中に新設したので、積極的な活用をお願いしたい。

報酬改定では、本年10月に予定されている消費税率10%への引き上げへの対応と、新しい経済政策パッケージに基づく処遇改善に対応するために、昨年10月の大臣折衝を受けて、財政状況が大変厳しい中、消費税率としてプラス0.44%、処遇改善としてプラス1.56%、合計2.00%の改定率とした。いずれも本年10月の施行となるが、現在、鋭意告示の改正と通知の発出等の準備を進めている。

就学前の障害児の発達支援の無償化では、新しい経済政策パッケージにある「3歳から5歳までの全ての子供達の幼稚園、保育所、認定こども園の費用を無償化」を受けて、本年10月からの障害児の発達支援の無償化に向けて詰めを行っている。

手帳のカード化の関係では、身体障害者手帳と精神障害者保健福祉手帳の様式を省令で規定しているため、省令の改正手続きを進めており、今年4月の施行を予定している。省令が改正されるとカード型の手帳の発行が可能となるため、各自治体ではカード型の手帳を希望する方の要望に応えるように障害者手帳のカード化に向けた検討をお願いしたい。

障害者の文化芸術では、昨年6月に障害者の文化芸術に関する新しい法律が成立し、その法律に基づいて作成する国の基本計画を3月中に各自治体に周知する予定である。文化芸術活動というのは障害者の個性や能力を発揮する機会となるのみならず、新しい活力が地域に生まれるきっかけになると思っている。今後各自治体において国の定める基本計画を踏まえ、障害者による文化芸術活動の推進に関する計画を定め、障害者による文化芸術活動をよりいっそう促進するようお願いしたい。

地域生活支援拠点については、障害者の高齢者化、重度化が進む中で、地域移行、地域生活支援が重要な役割を果すと考えている。昨年4月の時点で整備済みの地域は、全国で129市町村のみとなっている状況だ。第5期障害福祉計画において各市町村、または生涯保健福祉圏域に少なくとも1つの整備をお願いしているが、それぞれの地域での取り組みを一段と加速していただきたい。

精神障害者が地域の一員として安心して暮らすためには、あらゆる人が共生していける包摂的な地域社会、すなわち「精神障害に対応した地域包括ケアシステム」の構築を進めていく必要がある。平成31年度はこの地域包括ケアシステムの構築を推進支援する中で、地域住民の精神障害者に対する理解促進のため普及啓発の事業を実施することにより、全国での取り組みがさらに進むよう、各自治体での計画的な推進をお願いする。

精神保健指定医の指定については、今般、指定医の資格の不正取得の再発防止、指定医の資質の確保などを目的として、口頭試問の導入、ケースレポートの見直し、指導医の要件の見直しなどを行い、今年の7月以降の申請分より適用することとした。

依存症対策では、アルコール、薬物、ギャンブル等の依存症対策については、法律の施行や計画策定がなされており、依存症対策の充実の必要性、社会的・国民的関心が高まっている。各都道府県、指定都市におかれては、依存症の方が適切な治療や施術を受けられるよう、依存症専門医療機関、依存症治療拠点機関、相談拠点について早急に全都道府県と指定都市で選定済み、設置済みとなるよう、あらためてお願いする。依存症の問題の解決には、地域において関係機関と自助グループ等の民間団体との連携が必要不可欠である。地域で活動する自助グループ等民間団体との連携と活動に対する支援もお願いする。

最後になるが、障害保健福祉行政というのは、多くの関連分野の影響を受け、それらと連携し協力していることを日々感じる。例えば、障害者の子どもの問題、幼児教育の無償化の問題、児童虐待の問題、従事者の処遇改善や人材確保、地域共生社会づくりなど、職業安定局、子ども家庭局、老健局、社会・援護局といった、さまざまな関連部局の動きから大きな影響を受ける。県庁や市役所の中で、関連部署のさまざまな動きに対して、高いアンテナを張っていただき、周囲の動きに対して、障害者のために素早く対応していただくようにお願いする。

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