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社保審医療保険部会で「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」について報告

12月6日、第116回社会保障審議会医療部会が開かれた。「高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施に関する有識者会議」の報告書をもとに説明がなされ、意見交換を行った。

保険局高齢者医療課の込山愛郎課長は、有識者会議で挙げられた課題を大きく分けると、①国保の保健事業と後期高齢者の保健事業の接続の必要性②保健事業と介護予防を一体的に展開していく必要性――の2つであったと話した。報告書ではこれらの課題を解決するため、高齢者の保健事業と介護予防の一体的な実施のスキーム(枠組み)を示し、広域連合には広域計画における市町村の連携内容の規定、市町村には広域計画等を踏まえた事業実施計画の作成などを求めている。こうしたスキームを展開するに当たっては、保健師、管理栄養士、歯科衛生士などの医療専門職を市町村に配置していく必要があるとし、そのための費用は広域連合が保険料財源などをもとに市町村に交付するとしている。

今回の報告書でキーワードとなったのが「通いの場」だ。込山課長は「通いの場には医療専門職が積極的に関与し、これまでの介護予防の取り組みに加え、保健事業的な視点を持った事業内容としていく。これを疾病予防の立場から見れば、これまでの個別対応に加えて地域における社会参加も入れて保健事業も広げていくことになる」と説明した。

意見交換では、佐野雅宏委員(健康保険組合連合会副会長)が「一体的実施において重要な位置を占める市町村の間で差が生じないような仕組みづくりが必要。全体をマネジメントする人材育成が重要になってくるので、市町村の取り組み格差の見える化も必要になる」と話した。

岡﨑誠也委員(全国市長会国民健康保険対策特別委員長、高知市長)の代理で出席した田中弘訓参考人(高知市健康福祉部副部長)は、「後期高齢者人口が1,700万人に上る中で、市町村が一体的実施に対応するには相当数の人員が必要となる」と話した。その上で、報告書では後期高齢者広域連合と市町村の役割が明確になっていないため、これを明確にすること、国保連・国保中央会の市町村支援およびKDBの分析手法の研修の実施、地域の医療機関との連携を図る仕組みづくり――を求めた。また、市町村の財政力はさまざまであるため、一部の費用の支援ですべての市町村が事業に取り組むことは現実的に難しいとして、「今回の有識者会議の方向性を確実に実行できる環境を国が責任を持って整えてほしい」と訴えた。

村上英人委員(全国町村会理事、宮城県蔵王町長)は、「市町村の保健師は乳幼児や妊婦、成人、高齢者、障害者など多くの業務を抱えているため、今回の取り組みを実施する余裕はない。市町村では保健師の確保も大変難しくなっているので、人材確保ができるよう国は必要な財政支援を講じてほしい」と求めた。

森昌平委員(日本薬剤師会副会長)は「継続的な接続性ということでは、パーソナル・ヘルス・レコードとの接続性は検討しているか」と質問、それに対して込山課長は「有識者会議の議論の中では被用者保険との連携までは至っていないが、今後の検討課題として重要であるため、その点を意識していきたい」と答えた。

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