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第19回がん検診のあり方に関する検討会

9月23日、厚生労働省の「第19回がん検診のあり方に関する検討会」が開かれ、「第3期がん対策推進基本計画策定に向けた議論の整理」(報告書)案を基に意見を交わした。

がん検診については、科学的根拠に基づく検診として十分でないこと、諸外国に比べ依然として受診率が低いことなどが指摘されている。「がん検診のあり方に関する検討会」では、2012(平成24)年5月の初会合から、科学的根拠のあるがん検診の方法や受診率向上に向けた施策について検討を重ねてきた。昨年9月には中間報告として、乳がん検診および胃がん検診の項目等に関する提言がまとめられている。

今年に入ってからは、今後必要ながん検診について議論するとともに、「がん検診受診率等に関するワーキンググループ」を設置し、市町村・保険者間で比較可能ながん検診受診率の算定方法、受診率の公表方法や報告方法、精密検査受診率の目標値設定などを検討してきた。

この日、事務局はワーキンググループの報告書を提示した。現状では、市町村事業におけるがん検診の受診率の把握方法は、「国民生活基礎調査」「地域保健・健康増進事業報告」「推計対象者を基にした受診率」があるが、いずれも正確な実態を反映しているわけではない。そのため同報告書の中では、市町村間で比較可能ながん検診受診率の算定法として、「国民健康保険被保険者」を分母とし、「市町村事業におけるがん検診受診者のうち国民健康保険被保険者」を分子とするのが妥当であるとしている。ただし、この算定方法だけでは国保被保険者の受診率向上だけが評価される恐れがあるため、「第2指標として、地域保健・健康増進事業報告における、がん検診受診率を参考にすべき」と付け加えた。

福田構成員(国立保健医療科学院研究情報支援研究センター上席主任研究官)からは「がん検診の費用対効果」、祖父江友孝構成員(国立大学法人大阪大学医学系研究科環境医学教授)からは「がん検診における過剰診断」をテーマに報告がなされた。

最後に、検討会におけるこれまでの議論の結果をまとめた報告書、「第3期がん対策推進基本計画策定に向けた議論の整理(案)」が示され、それを基に意見を交わした。構成員の間からは、がん検診受診率の正確な把握が難しい中で、「現在の50%よりも高い〇〇%を目標として設定するべきである」等の記述は適切ではないとの意見もあり、表記については引き続き検討することになった。

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