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【レポート】平成28年度東京都医学総合研究所公開セミナー「すすめよう!難病保健活動―今 保健師だからできること」

6月13日、東京都医学総合研究所の公開セミナー「すすめよう!難病保健活動―今 保健師だからできること」が、東京都港区のAP品川で開催され、全国から難病保健担当の保健師が集い、難病施策や難病保健活動の現状、自治体の取り組み事例などを学んだ。

公開セミナーは、同研究所夏のセミナー「難病の地域ケアコース」の一環。厚生労働省健康局難病対策課の池野佑樹氏は法や制度の面から難病対策の現状を解説し、第3次の指定難病選定候補として222疾病が挙がっていること、指定難病患者データベースは平成29年度中の運用開始を目処に検討中であるなどを報告した。

東京都医学総合研究所難病看護ケアプロジェクトの小倉朗子氏は講演「あらたな難病施策下での難病保健活動~全国調査結果~」の中で、厚労科研難治性疾患政策研究事業「『保健所保健師の役割』に関する分担研究報告書」の調査結果を基に、難病保健活動の現状について報告した。それによれば、年を追うごとに相談数が増える一方で、保健所における難病の調査・研究数は減り続けている。難病対策地域協議会の実施状況(平成27年度調査)では、都道府県は6割以上が実施しているのに対して保健所設置市は3割未満であり、実施予定がないところも3割近くあった。保健師向けの難病研修プログラムがある自治体は都道府県、保健所設置市ともに3割に満たない状況だった。

事例報告では、鹿児島県の難病相談・支援センターと保健所の保健師が登壇。鹿児島県難病相談・支援センターの杉田郁子氏は、難病相談・支援センターと保健所の職員が集まる難病担当保健師業務検討会を実施することが情報交換や学びの機会となっていると報告した。鹿児島県川薩保健所の石野友希氏は、難病対策地域協議会で意見交換会を実施し結果を地域診断で明らかになった課題とすり合せることにより、課題の方向性が集約され取り組みにつなげやすくなったと述べた。

公益財団法人福岡県すこやか健康事業団の鎌田久美子氏は「保健師が行う地域包括ケアシステムづくり~保健所と市町村の連携と難病保健活動」をテーマに講演。福岡県における保健所を核とした在宅医療体制整備の取り組みと、糸島市と共に築き上げた地域包括ケアシステムについて報告した。

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