特集-インタビュー

第8回 横浜市役所健康福祉局保健事業課長 吉泉英紀さんが語る
新しいポピュレーションアプローチの試み

吉泉英紀さんインタビューつづき

市民の方からのリアクションはいかがですか。

京浜急行電車内ポスター 直接的なリアクションとしては、市民の方からは、電車ポスターへの関心は高いですね。京急線県内全53駅でも駅貼広告の部分も今回提供してもらっているので、団体によってはそこにポスターを掲出しています。そういうのを見て、「今、○○駅のホームで見ているけれど、この健康教室を申し込みたい」といった問い合わせを受けたりします。

来年度もこうしたキャンペーンを継続していきたいと思っています。横浜市の場合は10月が健康づくり月間ですので、毎年キャンペーンをみて「今年もそろそろ健康づくりのイベントや講座がある時期だったなあ」というようにシーズン行事になるよう浸透していければと。

横浜市には、18の行政区がありますが、今回のキャンペーンへの参加は京急沿線の8区です。しかし、来年は全区展開を考えています。規模を広げて、他の鉄道会社が来年企画に乗ってくれたら、他の近隣都市にも声がけしたいと思っています。


ところで、新しいことをやるときは、「前年度の踏襲」という枠を打ち破ることになるかと思いますが……。

従来型の仕事のスタイルというものをまるまる否定するつもりもありません。ある部分で伝統と安定感を持ち続ける必要はあると思います。しかし、それだけすべて100%ということになってしまうと、やっぱり今の時代、立ち行かないのではないでしょうか。

横浜市役所健康福祉局保健事業課長 吉泉英紀さん従来型の仕事に関しては、あえていわなくても職員全員がきちんと理解してすすめてくれます。しかし、新しい事柄については、必要に応じて管理職が引っ張らないといけないと。まず管理職がブレークスルーして、そして皆で考えていくことが大事だと思います。

今年のキャンペーンは予定外でしたから、例えば費用は、横浜市はもちろん、どの団体も予算外だったです。職員からすれば、新しく来た課長が5月になっていきなり何か言い出したけれど、どうするのだろう、といったところから、はじまったものなのですよ。

もちろん、キャンペーンが実施されたときの情景のビジョンははじめからもっていました。たぶんいけるだろうと。だから、あとは、少し強引でも引っ張っていってしまえば…、ですね(笑)。

京急電鉄の広報宣伝担当の方と2人で話していたのは、とにかく今年は60点でもいいからやりましょう、と。とにかくやることが大事であって、やってみてどうだったかは、振り返ってまた来年考えればいいから、今年は考えてしまって立ち止まらない、それも大事だと思います。とにかくやる。その次に結びつけて、どんどんローリングしていけば、またいいものができるだろうと。


今回のキャンペーンは横浜市だからできるというところもあると思います。他の市区町村の方がポピュレーションアプローチを考えるときのヒントを、教えていただけますか。

今回は京急電鉄さんにひと肌もふた肌も脱いでもらいました。これは横浜市には非常にありがたい、有効な方法でした。自治体によっては、電車を貸し切るということが現実ではないかもしれませんが、地域に見合ったアプローチを考えることは必要だと思います。我々も、これからどうやっていったらもっと啓発効果を高められるのか、まだまだこれからです。いろいろなパターンがあって、正解は一つではないと思います。

いずれにしても大事なことというのは、私たちの仕事は知ってもらって、使ってもらって、はじめて喜ばれる仕事ですからね。

一般市民の方々が何を普段見ているか、聞いているか、生活しているか、という相手の目線で考えることが大切だと思います。

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