ひよこアフター

住民と寄り添い、共に歩んでいける保健師を目指している山崎さん。新人のころは、「〝共に歩む″はまだ難しいなあ」とお話していました。それから3年経った今、どんな心境でお仕事をされているのでしょうか。

山崎奈緒美さん(柏市)
「基本姿勢は揺るがない。今も10年後の“私づくり”の最中」

「地域の保健師さん」になれたことが嬉しかった!

山崎さん

2016年7月号

養護教諭に憧れて看護大学に進んだ山崎さんでしたが、ミュージカル女優のような講義をする魅力的な地域保健学の先生との出会いをきっかけに、地域の人のために働く保健師という仕事に興味を抱き、方向転換したといいます。

入職してからは母子保健担当となり、さまざまな悩みはあったけれど、頼りになる先輩たちに支えられながら、苦境を乗り越えてきました。

もともと人見知りだったはずなのに、なぜか訪問に出掛けて人と話すことが楽しくて仕方がない、地域の人に「保健師さん」という目で見られるのが嬉しいのだと目を輝かせて語ってくれた山崎さん。大学の先生からの言葉「10年後の自分はあなたがつくるのよ」を糧に、一日一日の積み重ねを大切にしています。

実は山崎さんは、保健師を目指そうとした学生のとき、自分はどんな保健師になりたいかをノートに記していました。それを久しぶりに開いてみると、こう書かれていたそうです。
「地域の人たちに寄り添って、共に歩める保健師になりたい」

多くの業務を経験しながら、保健師としての土壌を築いている実感があります(山崎奈緒美)

「地域保健」でお話してから、早くも3年の月日が流れようとしています。私は今も柏市で保健師として働いています。この3年間は長いようで、あっという間でした。常にがむしゃらで、保健師の仕事の楽しさややりがいを感じる暇もなく、悩みや壁にぶちあたっていたような気がします。周囲の同僚や上司、友人、家族の支えがあったからこそ、今があるのだと思います。

当時の記事を読み返して、当初目標としていた「寄り添い、共に歩む」という姿勢は少し薄れがちな気がしていましたが、これまでの仕事を振り返ってみると、自分の基本姿勢としては、崩れていないと思いました。市民の方々と接する中で、どんな時も自分本位で考えるのではなく、対象者の意見を聞いて、方法を検討していく。支援者はとかく「指導」しがちになってしまうので、その点だけは自分の中で約束事としています。「10年後の私は、今の私が作る」という気持ちを常に持ち続けて、日々活動しています。

保健師になり5年間、大学の先生に勧められ、配属された母子保健分野にどっぷりつかり、多くの業務を経験し、さまざまな会議に出席する機会をいただきました。新しいものをつくったり、今までのものを改善したり、実際に数年後、数十年後に結びつく事業に関われたことで、保健師としての土壌が少しは築かれたかなと思います。

今年の4月からは部署が変わり、今までと異なる仕事に取り組みます。保健師として活動した5年間で得たものを活かしつつ、今後も新しいことを貪欲に吸収していきたいです。機会があれば数年後、ひよこから少しは成長したであろう姿をお伝えできるよう、頑張ります。

山崎さん今

「ちょっとたくましくなったかな。今日も1日頑張ります!」

 

 

 

 

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