2017年11月号

スタートから10年がたつ特定健診・保健指導は円熟期を迎える。今月号の座談会は「第三期の特定健診・保健指導に備える」がテーマ。自然災害が猛威をふるう中、災害保健のニーズは高まるばかりだ。特集は災害時の食支援に注目した「多職種で取り組む災害時の食支援」がテーマ。

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201711月号

定価:本体 1507円(税込)
第48巻6号
発行日:2017年11月1日
B5版 96ページ

座談会第三期の特定健診・保健指導に備える PART・1

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特定健診・保健指導の第三期が始まる。厚生労働省保険局は保険者の運用負担を減らし保健指導実施率の向上を図る制度改革を行った。一方、制度開始から10年がたち健診・保健指導の質も求められるようになってきた。本誌では今月号から2号続けて特定健診・保健指導の座談会を掲載する。司会は厚生労働省健康局保健指導室の加藤典子室長。コメンテーターとして、あいち健康の森健康科学総合センターの津下一代センター長に入っていただいた。今月号では、保健指導を直営とし、保健指導実施率の目標を達成している2つの市の保健師にご出席いただき、保健指導実施率を高めた秘けつと今後の課題について話を伺った。

【出席者】

  • 加藤典子さん(厚生労働省健康局)=司会
  • 津下一代さん(あいち健康の森健康科学総合センター)
  • 古木雅世さん(白山市健康福祉部)
  • 小林春恵さん(上越市健康福祉部)

特集多職種で取り組む災害時の食支援 ~2017年日本災害食学会シンポジウムより特別編集~

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災害時の避難所で配られる食事の多くはおにぎりやパンである。こうした食事はフレイル高齢者にとっては難易度が高く、低栄養や脱水状態をきたしやすい。また、被災者は入れ歯を喪失していることが多く、食べる不自由さはもとより、口腔ケアが疎かになることがある。その結果、誤嚥性肺炎等の危険性が高まり、災害後の健康状態に著しく影響する。
「食べる支援」は多職種がチームとなって介入することが効果的だ。スムーズな食支援を実現するためには、支援を受け入れる側の行政からの情報提供、そして綿密な連携が鍵となる。 特集では、日頃から自治体保健師と関わりながら災害食支援を行う専門職の方々(2017年日本食学会のシンポジスト)に、各々の被災地での活動と今後の展望や課題についてご執筆いただいた。

  • 食べる支援における歯科支援の現状と課題
    中久木康一(東京医科歯科大学大学院)
  • フレイル高齢者には早期多面的食支援を
    前田圭介(愛知医科大学)
  • 震災による避難所での二次的合併を回避するKTバランスチャートを使用した包括的支援の実際
    小山珠美(NPO法人口から食べる幸せを守る会 理事長)
  • エビデンスベースの災害栄養支援 ~JDA-DATの活動から~
    笠岡(坪山)宜代(国立研究開発法人医薬基盤・健康・栄養研究所)
  • 被災地で本当に必要な食事 ~「非常食から「災害食」へ~
    別府 茂(ホリカフーズ株式会社)

ひよこ、ホップ、ステップ、ジャンプ!

佐々木 茜さん(釜石市釜石地区生活応援センター)
関 美波さん(釜石市小佐野区生活応援センター)

特別寄稿

フィンランド人から学ぶ信頼関係 ~フィンランド ネウボラ視察旅行~
鎌田洋子(長野市障害福祉課)

ピープル

赤石千衣子さん(しんぐるまざあず・ふぉーらむ理事長)

レポート

こども家族早期発達支援学会 第4回学術集会
ちがいを強みに変える ~発達ダイバーシティからの出発~
取材:太田美由紀(ライター)

連載

保健師のセルフケアに役立つ自然療法

第4回 風邪予防&初期対応に対する自然療法でのケア
今 知美

ESSAY国際保健

第22回 ごきげんよう、ロンドン!
松田正己

保健師とは

第4回 一次予防のプロは誰?
佐々木亮平、岩室紳也

笑う門には福来る

第4回 日常の中に笑いを取り入れる方法〈その1〉 生活を楽しむ心がけ
大道芸人たっきゅうさん

保健師のための閑話ケア

第73回 「講演旅行記」番外編
藤本裕明

中臣さんの環境衛生ウオッチング

第58回 熊本地震・一年四カ月後の応急仮設住宅での保健活動
中臣昌広

言葉と発達 いまどき子育てアドバイス

第232回 ゆっくり大人になればいい(4) 子どもの行動の「大丈夫かしら?」③
中川信子

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