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第八話:タレントかマネージャか

あなたは自分自身どちらだと思いますか? 確かに"両方"ではあるのでしょうが……。

"タレント"とは「才能のある人」「人材」のことを指し、一方"マネージャ"とは、"マネッジ(動詞)"が「何とかして○○をする」と言う意味ですから、そう簡単にはいかないことを、工夫して実現する人をさします。

"タレント"は、直接的なサービスを提供するという「住民に向けてのベクトル」を重視する立場であり、ハイリスクアプローチの担い手と言ってもいいかましれません。

一方"マネージャ"は、住民ニーズを模索しその実現のための環境を整備に取り組む、「みんなが目指す方向へのベクトル」を大切にする立場、いわゆるポピュレーションアプローチを担う役割と言えるのではないでしょうか。

ポピュレーションアプローチを集団への行政や専門家側からの取り組みと表現してしまうと、本来のヘルスプロモーションの重要性が見えなくなります。別の観点から、ハイリスクアプローチを「自助」として、ポピュレーションアプローチを「共助」として整理することもできるでしょう。

どうせタレントを目指すなら、才能がきらめくような、例えば触れただけで血圧が推測できたり、一言で行動変容に仕向けるような「自助」を促す技量を磨いて欲しいと思いますが、せっかく行政や事業所、施設など組織の中で活動しているんですから、他の地域や組織の資源をタレントとして有効活用して、「共助」を再生するようなマネッジメント能力を活かしてはいかがでしょうか。

行政技術職に期待されるのはタレント兼マネージャであることには間違いありませんが、果たしてマネージャの機能を意識して実践しているでしょうか?

タレントとして、直接的なサービスを提供することに終始せず、マネージャとしての機能を常に意識して発揮する姿勢が、ハイリスクアプローチとポピュレーションアプローチの融合への一歩につながると確信し、今の仕事を大きく見直す原動力になればと期待しています。


櫃本真聿
櫃本真聿

愛媛大学医学部附属病院 医療福祉支援センター長
愛媛県各地の保健所長を経て平成14年8月に現職にいたる。

愛媛CATV番組審査員、FM愛媛(79.7Hz)「care of life」のパーソナリティも務める。

―著作―
「ケースメソッドで学ぶ ヘルスプロモーションの政策開発−政策化・施策化のセンスと技術−」(株)ライフ・サイエンス・センター発行
「ヘルスプロモーション時代の 自治体保健専門技術職員の効果的活用」行政発行



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