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第三話:健康って説明できますか?

さて、健康って何?って聞かれたら答えられますか?

こんな当たり前のことが、実は共通認識となっていないんですね。健康日本21のねらいは、「健康寿命」の延伸ですが、そもそも健康の定義があいまいなために明らかにしようがなく、そのために評価もできないんです。

WHOの健康の定義では、「肉体的・精神的・社会的にも完璧な状態を指し、単に疾病のないことを指すのではない」と明記されています。

まるで、この世の中には健康な人はほとんどいないかのような、厳しい定義に聞こえますが、実はそういう意味ではなく、健康はいろんな観点から見る必要があり、ましてや医療者が検査結果を用いて、健康の是非を判断するものではない、ということだろうと思います。

医療者は「良かれ」ではありますが、疾病管理を主とした「医療者が考える健康」にさせるために躍起になりがちです。ところが健康とは、させられるもではなく自ら感じるべきものであり、そして健康と感じられるよう支援することが大切であり、不健康のレッテルを専門家がはるべきではないのです。

一方障害者に健康はないのでしょうか? また寝たきり者にとって健康は全く無縁のものなのでしょうか? それぞれの笑顔に直面すれば、誰にでも「健康」と感じるときがあり、血圧や血糖値がたとえ異常値を示していても、それを根拠に第三者が健康の是非を決めるものではなく、むしろそれぞれの状況の中で健康だと自ら感じることが大切だという理解ができるはずです。

健康を狭義に医療分野で捉えるのはともかく、本来の健康は生活全般から各人が主観的に受け止めるものであり、診断基準によって振り分けるものではないと思います。

「健康とは幸福だ」と、かの聖路加病院名誉院長 日野原氏はおっしゃっておられました。

この言葉に私の健康の解釈は間違いないことを確信した次第です。

我々行政や医療者関係者は、疾病予防や管理によって「健康にさせること」ではなく、「健康と感じるための支援をすること」が役割であるということを認識して欲しいと思います。


櫃本真聿
櫃本真聿

愛媛大学医学部附属病院 医療福祉支援センター長
愛媛県各地の保健所長を経て平成14年8月に現職にいたる。

愛媛CATV番組審査員、FM愛媛(79.7Hz)「care of life」のパーソナリティも務める。

―著作―
「ケースメソッドで学ぶ ヘルスプロモーションの政策開発−政策化・施策化のセンスと技術−」(株)ライフ・サイエンス・センター発行
「ヘルスプロモーション時代の 自治体保健専門技術職員の効果的活用」行政発行



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