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第十話:漫然とした現在の延長に決して未来はない

私は、年に何十回もされる質問があります。「どうして、このような地域づくりの活動をしているのですか?」です。

いろいろな理由がありますが、私の中で一番大きな理由は、「地域づくりの活動をすることによって、本当に地域の看護力や教育力がつくられるのか?」を見届けたいということがあります。

ヘルスプロモーションの戦略として、コミュニティアクションが重要視されています。生活文化の中で健康を捉えることなど、地域に関することがたくさん方法論として提唱されています。しかし、本当だろうか? 日本の地域でも同じことが言えるのか? 誰もやっていないから分からないではありませんか。

たぶん、地域の新たな信頼をつくることで、地域の価値を高め、住んでいる人たちが自ら行動し始めるだろうとは思います。しかし、この目で確かめたことがないわけで、偉そうに語ることはできません。

現在では、小さな出来事でも地域が変わっていくことを実感したり、反対に地域に住む人はそんなに変わるものではない、と絶望することが交互にやってきます。そうそう上手くいくわけはありません。

次に、健康のスタートとして「自分を好きになれる」「自分を信頼できる」ことが大事だということは保健医療に携わる人は理屈としては分かっていると思います。でも、地域保健で、そのスタートを意識して取り組んでいる人たちを私は知りません。私はちゃんとそこから始めてみたいと思っています。

最近は嘘が通用しない本物の分野にとても興味がわいてきています。見せかけの幸せとか、一瞬で消えてしまう豪華さにはたくさんの嘘が潜んでいて、決してグルメを楽しんでも、豪華な旅行をしても満たされなくなってしまいました。

理屈だけで実践を伴わない研究者の話も同様に嘘くさいので好きではありません。地域にどっしり足を踏みしめて生活をすること、その生きる原点を大事にしながら人とつながっていきたいと考えています。

人間が傲慢に他の生物を支配したり、自然環境を破壊することに未来はないと思っています。自暴自棄になっていようが、閉じこもっていようが、生き物としての私たちは、地域の中で生きているひとつの命なんですよね。

その一つひとつの命の価値を取り戻し、小さな歩みでも確実に自分を生きていくことで、地域は変わっていくだろうと思います。そのためにも命のあるものに囲まれて、生き物としての感性を磨いていたいと思っています。

しかし、自分を好きになること、自分を信頼できるようになるためには、自分だけの力でどうにかなることだけではなく、共感できる人の存在が必要だったり、誰かに自分を必要とされることも必要です。

そのためにも地域の活動が必要であるし、遠く離れていても共感できる人たちとの交流が欠かせないわけです。

ということで、ただぼんやり暮らしているようでは地域にも自分自身にも未来はないと思っているので、自分が想いを込められる方法で、変化を恐れない地域づくりにこれからもかかわっていきたいと思っています。


三上公子
三上公子

NPO法人活き粋あさむし 事務局長潟wルスプロモーション青森 代表取締役、医療法人蛍慈会理事、コミュニティ・レストランネットワーク運営委員、保健師、看護学修士

保健師らしい仕事をしたいがために行政の保健師を退職し、フリーの立場でヘルシーコミュニティ形成に奮闘中。
ヘルスプロモーションの活動において、地域住民の立場でコミュニティのしくみを探り、住みよい地域をつくろうと思って活動をしています。




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