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地域看護研究者の雑感
第七話:"あい あむ あ Hokenshi"

私がいる職場は外国人の方がこられることも多く、その際、日本の看護職の教育課程などを紹介することがあります。

ご挨拶の最初は、名前と、"I am a Public Health Nurse." これで「ふんふん」と言ってくれたらいいのですが、「?」の場合もかなりあります。

ご存知のように、Public Health Nurseの制度がある国はそう多くありません。似ている制度があっても、Community Nurseの呼称を使っていて、Public Health Nurseとは言わないところもあるようです。

そして、最もややこしいのが、Public Health Nurseという呼称であっても、その役割や動きが違う場合です。

私はアメリカの保健師について現場を歩いた経験はないのですが、アメリカのPublic Health Nurseの中心的な団体が出している、Public Health Nurseのコア能力をみてみると、日本の保健師がその特色としている、グループやコミュニティに対する支援の部分は、保健師の中でもその道のスペシャリストや管理的な立場の人が持つべき能力として位置づけられています。

あら、と思いました。経験年数で求められる能力を整理することが多い日本とは考え方が異なるとはいえ、同じ名称を使っていても、それが表わす役割が違う場合があるのです。

そんなことを思ってたら、私のところで行っている保健師管理者の授業で参加者から「外国に行った時にそれで大変混乱した」という質問がありました。
どう考えればいいのか、と。

わが部長が答えたのは、「Public Health Nurseでなくて、Hokenshiです。」目からウロコが落ちました。たしかに役割・機能が違うものを、同じ言葉におしこめる必要はない、と。

ということで、"あい あむ あ Hokenshi." これでいこう。


鳩野洋子
鳩野洋子

九州大学大学院医学研究院保健学部門 看護学分野 地域・精神看護学教授

大学卒業後、臨床看護師、保健師を経て、研究職へ。研究領域は、保健師活動―特に行政保健師―にかかわる領域。

行政保健師の専門性、保健活動評価、高齢者保健、ヘルスプロモーション活動などを考えるべく奮闘中なるも、体力がないのが悩み。いい活動の話からエネルギーを充電。

2008年4月に、国立保健医療科学院 公衆衛生看護部看護マネジメント室長から九州大学大学院医学研究院保健学部門 看護学分野 地域・精神看護学教授になりました。



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