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地域看護研究者の雑感
第六話:学会に行こう

質問者:「先生の御発表に関して、それをretrospectiveにみた場合に……」
私:「(い、意味がわからん) ……」

これは、恥ずかしながら私が研究の道に入る前に、学会で発表させれ、質疑応答の時間になったときのやりとりです。
そう、この横文字の意味が私にはまったくわからず、げげっ!……となったのでありました。

と、かような経験をした私がいうのもなんですが、まず学会発表してみましょう。特に研究者が絡んでいるときは、デビューとしてはいい時です。
それはなぜか!?
 @ 研究者が抄録をみてくれる
 A 発表のときのポイントを教えてくれる
 B たいていの場合、発表のときも研究者が横にいる
とお得です。私の場合は、フロアにいたお医者さんが答えてくれました。

研究者になると『学会発表も仕事のうち』という部分がありますけれど、学会発表することの現場にとってのメリットっていうのも結構あると思います。

最大の効用は、イヤでも自分の考えをまとめあげ、活字にしなければいけないこと。

学会の抄録は、活動や調査のエッセンスを人に伝えることになるので、「要するにこれよ」を、筋を通して形にすることになります。その行為は、実は自分自身の頭が整理されるのですね。考察もしなければいけないから、必然的に自分の活動の意味を考えるし。

そして、人から評価をもらえること。

違う自治体の人や研究者が自分の発表に興味を持ってくれたり、違う視点をもらえることって、新しい見方ができて、リフレッシュになるんです。

自分たちは『これが普通』と思っていることが、実は違ったり、という体験がそこにはたぶんあるはず。

以前、一緒に事業にかかわった保健師さんに学会発表を勧めたことがありました。最初は渋られていたのですが、ポスター発表会場で質疑を受けていた彼女はとてもいきいきとしていました。

合間に「”ちょっと楽しい”と思っているでしょ?」と聞いたら、 「なんかそんな気がしてきました。」ということでしたよ。


鳩野洋子
鳩野洋子

九州大学大学院医学研究院保健学部門 看護学分野 地域・精神看護学教授

大学卒業後、臨床看護師、保健師を経て、研究職へ。研究領域は、保健師活動―特に行政保健師―にかかわる領域。

行政保健師の専門性、保健活動評価、高齢者保健、ヘルスプロモーション活動などを考えるべく奮闘中なるも、体力がないのが悩み。いい活動の話からエネルギーを充電。

2008年4月に、国立保健医療科学院 公衆衛生看護部看護マネジメント室長から九州大学大学院医学研究院保健学部門 看護学分野 地域・精神看護学教授になりました。



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