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第四話:研究者の仁義

前回、前々回と、保健師が研究者に依頼した場合のことを書いてみました。でも逆の場合もありますね。研究者から保健師に依頼するときです。

研究者からの依頼で一番多いのは、学生の実習を除き、研究のフィールドとして受けいれるということでしょう。

ところで、以前から不思議に思っていたことがあります。それは、どう考えても保健師さんたちが相応に関っていることがわかる研究なのに、その論文や報告書に保健師さんの名前が出てこないものが結構あることです。

もちろん場合によっては、行政的な判断として、名前が並ばないことが望ましい、というケースもあるでしょうし、研究報告書の場合は、研究の予算を申請した時点で名前が申請されている人だけしか書いてはいけない、というルールがあるときもあります。

でも雑誌となると別のはずです。
名前が記載されるということは、その研究に相応の貢献をし、役割を果たしたことを示すものです。

「いやいや、別に私もその中で得たものもあったし」という気持ちで「名前を一緒に」と言われた時、遠慮した方、結構いませんか。

しかし、名前を連ねるのも、自分が行った活動を形にして残すことのひとつだと私は思います。

活発な保健師さんの中には、そういう論文を使って、行政内外に自分たちの活動をPRしておられる方もいます。また、それは自分が思っている以上にいろいろな人が目にすることになるのです。

それが「保健師」全体の評価にもつながります。

だから、せっかくのその機会を素通りさせないで下さい。

通常の保健活動とは違いますが、住民の健康のために公の時間や、自分の時間を使って行ったこと、という点では同じなのですから。

私はフィールドをお願いしたときは、最初から必ずそのことをお伝えして、入らせていただいています。

これが保健師に対する研究者としての「仁義」と思っています。


鳩野洋子
鳩野洋子

九州大学大学院医学研究院保健学部門 看護学分野 地域・精神看護学教授

大学卒業後、臨床看護師、保健師を経て、研究職へ。研究領域は、保健師活動―特に行政保健師―にかかわる領域。

行政保健師の専門性、保健活動評価、高齢者保健、ヘルスプロモーション活動などを考えるべく奮闘中なるも、体力がないのが悩み。いい活動の話からエネルギーを充電。

2008年4月に、国立保健医療科学院 公衆衛生看護部看護マネジメント室長から九州大学大学院医学研究院保健学部門 看護学分野 地域・精神看護学教授になりました。



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