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地域看護研究者の雑感
第二話:研究者との'遭遇'

私: なぜ私なんですか?
保健師さん: 先生はタダだと聞いたから。

これは過去にあった電話での会話です。
保健師が研究者へコンタクトをとる時というと、@講演(研修) A調査研究支援 B事業支援 の依頼が多いのではないでしょうか。最初の会話はBの状況でした。

私がいる国立保健医療科学院は、@〜Bが機関としての使命でもありますから、別にお金がほしいとは思いません。(交通費の実費はいただきたいと思いますが)そうはいっても、上記の電話で「はいはい」と行く研究者はいないでしょう。

研究者は時間がある、と思っておられる方、結構いませんか。 「だって大学とか、週に何回だけしか授業がないわけだし、それ以外の時間は自由に使えるのでしょ?」

それが意外とそうでもないのです。
私が所属しているところは大学組織とは違いますが、大学も、私がいるような機関も、それ以外の仕事って結構あるんです。

まずは機関内部の委員会。大学だと学校を紹介する委員会があったりもするんですよ。学生の論文指導や審査もあります。何より授業や実習などの準備は相応の時間がかかります。

外部の、たとえば自治体等の委員会に声をかけていただいたり、学会や職能団体等の仕事もあります。原稿を書く時間もほしいですし、研究者たるもの、自身の研究活動もあります。

過去に、研究の進め方の話しを保健師さんにしたとき、「研究を勉強したら、ちゃちゃっと研究ができるようになると思ったのに違うのね」と言われたことがありますが、そう、天才ならいざしらず、「研究って簡単」という研究者にはあまり会ったことがありません。

だから研究者にコンタクトを取るときは、(そんな中でも)「自分が」いかなければ、あるいは是非やりたい、と思わせるように伝えることがポイントだと思います。

それは何かというと、やはりその研究者が研究していることに絡めて依頼をすることでしょう。

とはいえ、地域看護の研究者は、この点は強調したいのですが、現場の役に立ちたいと思っている人が、他の領域の研究者よりも多いと私は感じています。
実践の学ですもの。

さあ、皆さんは誰に電話をかけますか?


鳩野洋子
鳩野洋子

九州大学大学院医学研究院保健学部門 看護学分野 地域・精神看護学教授

大学卒業後、臨床看護師、保健師を経て、研究職へ。研究領域は、保健師活動―特に行政保健師―にかかわる領域。

行政保健師の専門性、保健活動評価、高齢者保健、ヘルスプロモーション活動などを考えるべく奮闘中なるも、体力がないのが悩み。いい活動の話からエネルギーを充電。

2008年4月に、国立保健医療科学院 公衆衛生看護部看護マネジメント室長から九州大学大学院医学研究院保健学部門 看護学分野 地域・精神看護学教授になりました。



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