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「ひきこもり」の実態と取り組み
第一話:分かりにくい「ひきこもり」

ひきこもりは分かり難く、巷間、誤解と偏見にさらされている。

その原因はひきこもり当事者や家族が、世間体もあってその事実を隠してしまい、世をはばかり巷間ひっそり暮らしている面があるからだ。

世間の多くでは、ひきこもりは「親の甘やかし、子の甘ったれ」と考えられ済まされている面が多分にあるようだ。しかし事実は、当事者は表に出たいが出られなく、自分でコントロールできなくなっていると言ってよいであろう。

当事者は百人百様ではあるが、対人緊張、対人不信、対人恐怖において共通しており、真面目な当事者はこのことに自罰的に悩み苦しみ続け、ついには耐え切れず、若いエネルギーは壁や親などに爆発的にぶつかるケースが多い。

最初、親ですらこのことが分からず、当事者に人並みの生活や社会参加を促し続け、動けない当事者と家族間に意識のずれと不信や確執が生じがちである。

結果、お定まりの家族機能不全となり、さらには神経症的挙動へ移行していく。ひきこもり当事者を腫れ物に触るように対応していく親子共依存が始まる。

この困窮閉塞した未来が見えないエンドレス感が、家庭という狭い空間で危機的に続き、家庭内に圧力が高まれば危ない面すらある。

ひきこもり家庭には、やがて親戚ですら訪れる人もなくなり、巷間ひっそりと暮らし、親も精神的にひきこもりがちとなりメンタルヘルスケアを必要とするケースも多い。孤立しているひきこもり家族は、孤立するほど当事者と家族だけでは解決へ向かうことが難しく、むしろ当の親子ゆえコジレキリ難しい状況となっている。

ここに「外からの第3者の風」としての訪問サポートや「相談支援する他者」のかかりが求められるわけである。

このような家庭が、わが国では100万軒もあるとも言われており、そのツケが次世代問題として社会共有の問題と化しつつある。

今こそ、ひきこもり問題への理解と他者からの支援が求められているときはない。全国の精神保健福祉センター、保健所、市区町村などの保健師さんに、ひきこもり当事者や家族への関与が期待されるところが大である。

*本編での語彙の表現で「ひきこもり」と「引きこもり」は同一です。
*ひきこもり支援内容を・家族相談・家族教室・若者の居場所・親の会ボランティア・訪問サポート等に留意して解釈することをお勧めいたします。


奥山雅久
奥山雅久

NPO法人全国引きこもりKHJ親の会・代表


静岡県生まれ。少年期より「がん」と闘う。広告マンを経て、1999年12月に「NPO法人全国引きこもりKHJ親の会」を発足。
講演・相談・会運営で多忙な日々を送る。

NPO法人全国引きこもりKHJ親の会
http://www.khj-h.com/



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