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第五話:遊びを通した二大研究事業

0歳から6歳までの前期子ども期は、遊びの一流プレーヤーだ。

道端で拾った石ころや、葉っぱを何度も繰り返しお母さんの手の平に届けるだけでワクワクし、単調な動きしかしないブランコでも、あんなにも小さいエリアしかない砂場でも、小さな子どもたちは夢中になって遊ぶことができる。
遊びは子どもに様々な学習をさせてくれるのだ。

遊びを通して他の子どもとのかかわりから、人への対応能力を磨き、また、唯一子どもは遊びを通して、集中して物事にかかわる力を身に付けたり、全力投球するスキルを備えるようになってくる。

ようするに、人間研究とエネルギー研究といった二大研究事業を繰り返しているのではないかと強く感じる。これらは大人になってからでは学べない。

全力で遊ぶということは、子どものうちの、特に乳幼児期の前期子ども期の必修科目といってもよい。子どものときに一生懸命遊ぶことを知らずに大人になって、一生懸命に良い仕事が出来るようになるだろうか。

三度三度の食事が子どもの成長にとって大切であるのと同じくらい、遊びは子どもの育ちに欠かせないと考えるべきではないか。

こうした二大研究事業や、大人になるための育みのささやかな応援団としておもちゃがある。おもちゃは遊びの主人公ではなく、ましてやおもちゃに絶大な力が備わっているわけでもない。そして、遊びが子どもの成長・発達を促す食事であるのなら、おもちゃはまさに食材だ。

おもちゃの選び方や、よいおもちゃ、悪いおもちゃという論議は、食品売場で食材を選ぶことと同じ位の気遣いが有ってもよい。栄養のバランスを整え、カロリーが低いか、高いかを気にし、食品添加物を心配し、無農薬の有機農法の野菜を選ぶ食へのこだわりと、おもちゃの問題はイコールで結べる。


多田千尋
多田千尋

芸術教育研究所所長、東京おもちゃ美術館館長、高齢者アクティビティ開発センター代表 NPO法人日本グッド・トイ委員会理事長。

1961年、東京都生まれ。明治大学法学部卒業後、モスクワ大学系属プーシキン大学に留学。現在、全国3000人を越える玩具の専門家「おもちゃコン サルタント」の養成と、高齢者福祉のQOLの向上を唱えた「アクティビティディレクター」の資格認定制をスタート。専門はアクティビティケア論、福祉文化論、世代間交流論で、早稲田大学など多くの大学で教鞭をとる。

4月には、新宿区と文化協定を結び、東京の四谷で閉校となった小学校に「東京おもちゃ美術館」を開設。中野には、遊びとアートのラボラトリー「アート・ラボ」を開設し、子どもアートスクール、子育て学校、街中子育てサロン、おもちゃショップなどを展開する。

・芸術教育研究所
・東京おもちゃ美術館
・高齢者アクティビティ開発センター



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